[mathjax]
こんにちは!櫻學舎講師の菊池涼です。
今回は、酸化と還元によって酸素、水素、電子、そして酸化数がどのような変化をするのか、その理屈を説明し最終的には表で簡単に覚えてしまいたいと思います。
酸化…物質が酸素と化合する反応
還元…物質が酸素を失う反応
と、この定義では酸素の移動で説明されています。この定義のされ方が一般的ですが、酸化も還元も酸素以外に水素、電子、酸化数でも説明することができます。
では、以下の項でそれぞれについて見ていきましょう。
まずは酸素から。
前の項の説明でもあったように酸化は物質が酸素と化合する反応、還元はその逆です。これは文字のまんまなので覚えやすいと思います。「酸化」なので酸素を「得る」。還元はその逆の反応が起こるから「失う」ということです。
次に水素ですが一つ具体例を見てみましょう。
$$ NaOH+HCl→NaCl+H_{ 2 }O $$
この時Clは水素を失ってNaとくっついています。また、Naも酸素を含んだOHを失っています。結果的にNaClとH2Oができていますが、上の酸素による酸化と還元の定義から、NaOHは還元、HCl は酸化していそうです。
つまり、水素は酸素と逆の反応を示すのです。
改めて書き直すと「酸化」は水素を「失う」反応で、「還元」は水素を「得る」反応です。
次に電子の移動ですが、主に電気分解の時にこの定義を用います。
「酸化」は、電子を「失う」ことであり、「還元」は、電子を「得る」ことです。この文面、先ほど扱った水素と同じですよね?水素と電子は同じだと関連付けて覚えましょう。
還元 $$ Cu^{ 2+}+2e^{ – }→Cu $$
酸化 $$ 2Cl^{ -}→Cl_{2}+2e^{ – } $$
まずは酸化数のルールをおさらいしましょう。
(1) 単体中の原子の酸化数は0。
(2) 単原子イオンの単体の酸化数は、イオンの電荷数に等しい。
(3) 化合物中の水素Hの酸化数は通常+1(例外-1)、酸素Oは-2(例外-1)である。
(4) 電気的に中性な化合物の酸化数の総和は0である。
(5) 多原子イオンでは酸化数の総和はイオンの電荷数に等しい。
(6) アルカリ金属イオンは常に+1、アルカリ土類金属は常に+2である。
名前が「酸化数」というだけあって、酸化した時の数値を表しています。酸化していれば+表記、還元していれば-表記、どちらでもなければ0です。
というわけで、ここまで酸化と還元によって酸素、水素、電子、そして酸化数がどのような変化をするのか見てきましたが、勘の良い人はもう気付いたのではないでしょうか?次の項で実際に表にして見てみましょう。
水素 | 酸素 | 電子 | 酸化数 | |
酸化 | ー | + | ー | + |
還元 | + | ー | + | ー |
分かりやすい!いままで学んできたことが+と-だけで表せてしまいました。当たり前ですが酸化と還元は反対の変化をします。だから覚えればいいのは酸化か還元のどちらか一方でOK!加えて酸化が+になるのは酸素と酸化数の時、つまり「酸」化で「酸」素と「酸」化数が+で「3酸+」とだけ覚えてしまえばあっという間に表を完成させることができます。
今回紹介したまるわかり表を使えばテストでも時間をかけずに高得点を狙うことができます、実際僕自身も何度もこの表に助けられました。何度も書く練習をして役立ててください!ありがとうございました!