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【べんかぷ発展編】センター試験によく出る古文? | 定額個別の櫻学舎

 

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センター古文には、よく出る○○が存在する

過去12年分のセンター古文出題歴

2016年 本試:『今昔物語集』

追試:『苔の衣』

2015年 本試:『夢の通ひ路物語』

追試:『しぐれ』

2014年 本試:『源氏物語』「夕霧」 紫式部

追試:『うつほ物語』

2013年 本試:『松陰中納言物語』

追試『折々草』

2012年 本試:『真葛がはら』

追試:『住吉物語』

2011年 本試:『保元物語』

追試:『いはでしのぶ』

2010年 本試:『恋路ゆかしき大将』

追試:『怪しの世がたり』 荒木田麗女

2009年 本試:『一本菊』

追試:『野守鏡』

2008年 本試:『狗張子』 浅井了意

追試:『雲隠六帖』

2007年 本試:『兵部卿物語』

追試:『伊勢源氏十二番女合』

2006年 本試:『うなゐ松』 木下長嘯子

追試:『竺志船物語』 村田春海

2005年 本試:『日光山縁起』

追試:『太平記』「東宮還御の事付一宮御息所」

いや、並べ立てられても、だからどうした。それはこの後のお話。

出やすい「出典」は無い

「源氏物語」が出やすいとか、「徒然草」が出やすい、とかそういう感じではなさそうなことが分かりました。何故なら、高校生の大半が受けると言われるセンター試験ですから、なるべく全ての受験者にとって平等に難しく平等に易しい必要があるからです。

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だから、「この作品の内容を全部把握しておけばセンターは万全だぞ」はありません。申し訳ありませんが。

しかし、出やすい出典は無くとも、よく出る「ジャンル」は存在します。それは?

もう一度、出題歴を見なおしてみたなら

2016年 本試:『今昔物語集』

追試:『苔の衣』

2015年 本試:『[su_highlight]夢の通ひ路物語[/su_highlight]』

追試:『しぐれ』

2014年 本試:『[su_highlight]源氏物語[/su_highlight]』「[su_highlight]夕霧[/su_highlight]」 紫式部

追試:『[su_highlight]うつほ物語[/su_highlight]』

2013年 本試:『[su_highlight]松陰中納言物語[/su_highlight]』

追試『折々草』

2012年 本試:『真葛がはら』

追試:『[su_highlight]住吉物語[/su_highlight]』

2011年 本試:『保元物語』

追試:『[su_highlight]いはでしのぶ[/su_highlight]』

2010年 本試:『[su_highlight]恋路ゆかしき大将[/su_highlight]』

追試:『怪しの世がたり』 荒木田麗女

2009年 本試:『[su_highlight]一本菊[/su_highlight]』

追試:『野守鏡』

2008年 本試:『狗張子』 浅井了意

追試:『[su_highlight]雲隠六帖[/su_highlight]』

2007年 本試:『[su_highlight]兵部卿物語[/su_highlight]』

追試:『伊勢源氏十二番女合』

2006年 本試:『うなゐ松』 木下長嘯子

追試:『竺志船物語』 村田春海

2005年 本試:『日光山縁起』

追試:『太平記』「[su_highlight]東宮還御の事付一宮御息所[/su_highlight]」

マーカーを引いた所は何でしょう。

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古文の流行は、やっぱり恋愛

上記センター出題古文24作品中、11作品が恋愛ものでした。他にも「歌や物語の評論」「怪談」「説話」「軍記物」などがある中で、恋愛系の占有率はなんと50%近く

古文の問題をいくつか解いている人は「だろうな」という気持ちかもしれません。和歌集に収録される膨大な数の恋の和歌。源氏物語や伊勢物語のような華やかな恋物語。中世、文字を読める人間が一番読みたがったのは多様な「恋愛」模様です。中世物語文学における恋物語の多さたるや。ちなみにセンター古文において中世(平安~室町時代)の物語が出る確率は50%以上。上記24作品中13作品が中世の物語文学です。それ以外は中世の評論文と江戸時代の物語。

なんで恋愛物を出題しようとする傾向にあるの?

古文は日本語。つまり出す側は現代文と同じく「単語・文法理解」と「内容」の両方を出題したいのです。しかし古文は現代の人たちが使うものとはなかなかかけ離れており、読むだけでとても体力が要る難しい文章。現代文と同じようなややこしい主張・複雑な心情を読み取らせるというのは、高校生にはオーバーワーク。

そんな中で、出題者は「敬語の理解も問いたい」「語彙の理解も問いたい」「もちろん内容も把握できるか見たい」となると、「敬語」の点で自然と恋模様の多い中世の王朝を舞台にした話に限定されてくる。さらに、読むだけでも難しいので、「内容」の点では「何故そんなことをしたのか?」「どうしてそんな気持ちになるのか?」をあまり深く考えなくても済むような話を選ぶ必要性が出てきます。

 

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昨今現代文の小説はどんどん訳の分からな…一筋縄では行かないお話が多くなっているものですから、その分古文ではシンプルな構成・感情表現を使うことで、国語全体の難易度のバランスを取っているのではないでしょうか。

対策:当時の文化・慣習を知っておこう

お互いを求めるもさまざまな障害に阻まれ、恋しさだけが募っていく…そんな話が多いものですが、「二人の仲が何故阻まれるのか」を本文ではあまり説明してくれません。

平安時代の恋愛は、顔も分からない人と和歌のやりとりによって進展する。親の意向には逆らえず、親の決めた相手と結婚させられることも。また結婚は、貴族の間では一夫多妻制が基本。結婚後、妻は夫に毎日会えるわけではなく、他の妻の元を渡り歩いているであろう夫をひたすら待つ日々。

そんな現代では想像もつかないような制約が中世にはたくさんあります。知らないわそんなの、もう廃れているんだもの。それはそうです。そういうのはもはや本の中にしか残っていません。しかし本の中でも、手軽に気軽に読めるものがあるのです。中世独特の文化を知るのにオススメの本がこちら。

荻野文子『マドンナ古文常識217 パワーアップ版』2013

大学受験向けに抑えておくべき古文の世界の常識を一冊にまとめてあります。100%勉強用なので気合が無いと読めませんが、古文を読んでいて「なんだこれ?」と思うような文化はこの中にほぼ必ず載っています。

勉強だと思うやる気湧かんわ、という方にはこちらのマンガをおすすめ致します。

杉田圭『超訳百人一首うた恋い。』2010~

かるたで有名な「小倉百人一首」に収録されている恋歌のバックストーリーを描いたマンガ短編集。現代に馴染みのない文化には分かりやすい解説が付きつつ、登場人物は個性豊かで全員インパクトが強く話の流れが分かりやすい。またノリがけっこう現代的なのでかるーく面白く時に泣きつつ「ああ、あの歌ってこういう意味だったのか」と読める。頭を悩まさずに古典の世界に興味を持てるので、おすすめです。

あくまでも一番必要なのは文法や単語の理解

大体出やすい話のイメージが掴めた所で、結局問題文を理解し設問を解けるようになるにはしっかりとした基礎知識の練成が必要です。

勿論他のジャンルとくらべて中世文学や恋愛物が出やすいというだけですから、全体で見れば中世の恋愛物になる確率が約1/2、出ない確率も1/2なのです。中世文学ではないという場合は、文化などへの理解が必要ない代わりに、文法・単語をきちんと理解しないと内容が読み取れないことがほとんどです。

センター古文で点を落としたくないという時は、まず文法と単語を万全にしましょう。その後、満点を目指すなら文化や心情理解に力を入れましょう。

 

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お粗末さまでした。

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