[mathjax]
こんにちは!櫻學舎講師の菊池涼です!
今年ももう10月となり、新年度が始まってから半年が経ちました。3年生は受験まで残すところあとわずか…。
しかし、皆さんの中にはなぜそうなるのか分からないまま計算していたり、そもそも計算自体できていなかったりする人もいるのではないかと思います。
そこで今回はおさらいの意味も込めまして、数学の基礎を何問かに分けて解説していきたいと思います。
A1 最近塾で生徒に教えていて最も多いのが移項した時の符号ミスです。THE基礎中の基礎なのですが符号を変えない人が結構います。原因は、なぜ符号を変えなければいけないのか分からないことによる未定着だと思います。そこでまずは式の持つ意味について解説していきましょう。
$$ 1+1=2 $$
バカにしているわけではありませんよ(笑)。「式」ってつまりはイコールの右と左で同じ事柄を表しているものです。1+1=2だし、2=1+1です。左辺を計算すると右辺になるし、右辺をばらしても左辺になります。小学生でもここまでは分かりますが、重要です。
$$ x+1=2 $$
次にこの式で説明します。みなさんもう既にお分かりの通り、解はx=1です。先ほど説明したように「左辺を計算すると右辺になるし、右辺をばらしても左辺にな」るのが式です。だから左辺も右辺も同じ意味を持たせなければなりません。1を左辺から右辺に移項した時にもし符号を変えなかったらx=3になります。元の式に3を代入すると3+1=2で成り立たなくなってしまいます。よって、両辺で同じ意味を持たせるためには符号を変えることが必要なのです。
$$ 2x-5=3x+1 $$
最後にこの式を扱いましょう。これまでと同様に左辺と右辺は同じ数を表しています。少し難しくなっていますが、やることは同じです。
$$ 2x-3x=1+5 $$
$$ -x=6 $$
$$ x=-6 $$
です。元の式に代入しても左辺も右辺も-17になります。
これで符号を変える意味は分かったと思うので次に進みましょう。
A2 結論から言うと「本当」です。
よく左辺と右辺を入れ替えてはいけないと思っている生徒がいます。確かに文字を含んだ項が左辺にあった方が見やすいのですが、急いで計算しなければいけない時に左辺に文字を移す作業を入れると時間がかかってしまいます。前の項で学んだ通り、左辺と右辺が同じ意味を持てばいいのでどっちに何があるかは関係がありません。
1つ式の例を出しましょう。
$$ y=2x+1 $$
$$ 2x+1=y $$
上の式の方が見慣れていると思いますが、意味的には上下変わりません。
$$ y-2x=1 $$
$$ 1=y-2x $$
でも問題ないので混乱せずに解き進めましょう。
A3
例)リンゴを4個ずつx人に配ったところ、3個余った。リンゴが全部で何個あったかを示す式を立て、3人に配ったときのリンゴの個数を求めよ。
答)y=4x+3
x=3でy=15。よってリンゴは全部で15個。
これは簡単なパターンです。分かりやすいのではないかと思います。ここで置いた文字はxとyで、それぞれ人数とリンゴの個数でした。つまりxには人数が入ればよいことになり問題で与えられた3人という数を入れることができます。同じ文字には同じ文字なら何でも入れられるというわけです。パズルのピースのようなものだと思ってください。
次に少し難しいパターンを見ていきましょう。
$$ 7y=3x+5 $$
$$ x=2y+1 $$
少し難しくなっていますが、これも今までと同じです。連立方程式でも解けますが代入法で解いてみましょう。解き方はただ上の式に下のxを入れるだけ!つまり
$$ 7y=3(2y+1)+1 $$
$$ 7y=6y+3+1 $$
$$ 7y-6y=3+1 $$
$$ y=4 $$
になります。
同じ文字には同じ文字なら何でも入れられる。覚えておきましょう!
A4 式を立てたいのに何をどうしたらいいのか分からない…。あるあるですよね。まずは文字を決定することが大切です。
大概、文字は問題で「~○○を求めよ」と言われた○○の部分にします。「人数を求めよ」と言われたら人数、「個数を求めよ」と言われたら個数が文字になります。また、分からないものを文字と置いたりもします。
少し難しいかもしれませんが例題を解いてみましょう。
例)連続した3つの正の整数がある。小さいほうの2つをかけた数が、3つの数を足して2をかけた数に等しい。3つの正の数を求めよ。
答)この問題、今回取り扱った分野の総まとめ的な問題ですね。
まず、皆さんがやりがちなのが文字を置こうとしていろんな文字(x、y、z)を使ってしまったり、文字を何にするか迷ってしまう(a、b、c、etc…)などです。
実を言うと文字は何でもいいです。極論、□なんかを使ってもオッケーですがここではxを使いましょう。そして、今回は連続した3つの正の整数と指定されているので、文字をたくさん使う必要はありません。連続した整数ならx、x+1、x+2で表せますよね?これで立式第一段階は終わりです。
次に、イコールで結んでみましょう。「小さいほうの2つをかけた数が、3つの数を足して2をかけた数に等しい」から、
x(x+1)=2(x+x+1+x+2)
となります。もちろん左辺と右辺が逆になっても同じ意味を持ちます。
実際に計算してみると
$$ x^2+x=2(3x+3) $$
$$ x^2+x=6x+6 $$
$$ x^2-5x-6=0 $$
$$ (x-6)(x+1)=0
になり
$$ x=-1,6 $$
ということが分かります。今回は正の数ということなので6があてはまり、これを代入すると
6、7、8が答えだということが分かります。
今回はあやふやにして来てしまったところのおさらいをしました。最後の例題をスムーズに解くことができれば理解したと言えます。できなかった人も理解を深めて計算に取り組みましょう!