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【高2数学】 分かりやすいベクトルの基本 | 定額個別の櫻学舎

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こんにちは!櫻學舎講師の菊池涼です!

今回は多くの人がつまずくベクトルについて基本的なところを学んでいきたいと思います。この記事では主に平面ベクトルについて扱いますが、空間ベクトルでも基本的な考え方は同じなので徹底的に基礎を身に付けましょう。

1 ベクトルとは?

そもそもベクトルとは何なのかというと「位置を問題にしないで、向きと大きさだけで定まる量」のことを指します。これは平面でも空間でも同じで表記するときは文字の上に矢印を書いて表します。また、大きさが1であるベクトルを「単位ベクトル」と呼びます。

 

ベクトルは合成や分割することが可能です。

$$ \overrightarrow{ PQ }+\overrightarrow{ QR }= \overrightarrow{ PR } $$

$$ \overrightarrow{ PR }=\overrightarrow{ PQ }+ \overrightarrow{ QR } $$

という感じに合成、分割できます。考え方としては同じ文字同士がくっついて消えると考えてもらえれば問題ないです。ドクターマリオって知ってますか?あれと同じ要領です笑!

また、ベクトルの向きが変わるとマイナスの符号をつけて表します。同じ文字が並ぶものは結局元の場所にベクトルが戻ってきたということなので0ベクトルになります。

$$ \overrightarrow{ PQ }=-\overrightarrow{ QP } $$

$$ \overrightarrow{ PQ }=\vec{0} $$

2 ベクトルの成分

ベクトルの成分表示は座標で表示するように

$$ \vec{ a }=( a_1, a_2) $$

と表され、カッコ内はそれぞれx成分とy成分です。

$$ \vec{a}=\vec{b} ならば (a_1=b_1),(a_2=b_2) $$

で、大きさは

$$ | \vec{a} |=\sqrt{a_1^2+a_2^2} $$

になります。ここまででベクトルの成分の基本はおしまいです。次にベクトルの演算について学びましょう。

まず和と差ですが、成分同士で足し算引き算します。積と商についてはベクトル=矢印なので使うことはありません。ただし、実数倍に計算することはあります。

$$ k(a_1,a_2)=(ka_1,ka_2) $$

3 ベクトルの平行と垂直

3-1 ベクトルの平行条件

ベクトルが平行であるためには0ベクトルでない2つのベクトル$$ \vec{ a }=( a_1, a_2) ,  \vec{ a }=( a_1, a_2) $$について

$$ \vec{a}//\vec{b} \leftrightarrow \vec{b}=k\vec{a} となる実数kがある a_1b_2-a_2b_1=0 $$

が条件になります。これは必要十分条件なので証明で問われたときに答えられるようにしましょう。

3-2 ベクトルの垂直条件(内積)

ベクトルの内積は次のように定義されます。

$$ \vec{ a }・\vec{ b }=|\vec{ a }||\vec{ b }|\cos x\theta $$

このことから、ベクトルが垂直になるときθが90度になり内積は0になります。

$$ \vec{ a }\perp\vec{ b } \leftrightarrow \vec{ a }・\vec{ b }=0 $$

$$ ※\vec{ a } \neq 0 , \vec{ b } \neq 0 のとき。$$

4 演習問題

では今まで学んだことを使って例題を解いてみましょう。

例題)$$ |\vec{ a }| = 2 , |\vec{ b }| = 1 で、\vec{ a } – \vec{ b }と2\vec{a} + 5\vec{ b }が垂直であるとき、\vec{ a }と\vec{ b }のなす角θを求めよ。$$

 

回答)$$ (\vec{ a } – \vec{ b })\perp(2\vec{a} + 5\vec{ b })から $$

$$ (\vec{ a } – \vec{ b })・(2\vec{ a } + 5\vec{ b })=0 $$

$$ よって 2|\vec { a }|^2+3\vec{ a }・\vec{ b }-5|\vec{ b }|^2=0 $$

$$ |\vec{ a }|=2,|\vec{ b }|=1を代入して $$

$$ 2 \times 4+3\vec{ a }・\vec{ b }-5 \times 1=0 $$

$$ ゆえに \vec{ a }・\vec{ b }=-1 $$

$$ したがって \cos\theta=\frac{ \vec{ a }・\vec{ b } }{ |\vec{ a }||\vec{ b }| }=\frac{-1}{2 \times 1}=-\frac{1}{2} $$

$$ 0° \leq \theta \leq 180°   であるから θ=120° $$

主に内積を使う計算でしたが皆さん正解できたでしょうか?式を展開するときに絶対値をつけ忘れないように気を付けましょう。

5 まとめ

今回はベクトルの基本について学びましたがどうだったでしょうか?よく数学の先生からは「ベクトルなんてただの矢印だ」なんて言われますが、そんなことは無いです難しいです笑。でも基本に忠実に行けば空間ベクトルでも発展問題でも大丈夫だと思います。今年も残り1か月頑張っていきましょう!

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