【社会科コラム】国の「トップ」って誰?大統領と首相の違いを知ろう!

こんにちは!櫻學舎講師の石川理美です。
突然ですが皆さん、「日本のトップ」と言われたら誰を思い浮かべますか?
多くの人が「石破総理」と答えるのではないでしょうか。
では、イギリスのトップは?アメリカのトップは?
「えーと、トランプ?」「チャールズ国王?」
そうなんです、国によって“トップ”とされる人は異なります。そして、「首相」や「大統領」だけでなく「国王」がトップとして存在している国もあります。
今回は、そんな“国のトップ”について楽しく学べる授業の導入として、私が授業で使っているワークシートをもとに、世界の国々のトップの仕組みをわかりやすく紹介していきます!
なぜ今「国のトップ」を学ぶの?
現代のニュースでは、各国の首脳の名前が頻繁に登場します。
G7、G20、国連総会…。
「首脳会談」や「首脳声明」など、よく耳にするけれど、そもそも“首脳って誰?”という疑問を持ったことはありませんか?
社会科では、「世界を広く知る」ために、その国の政治制度やリーダーの役割を理解することがとても大切です。
また、国際情勢を読み解くためにも、「その国の意思決定者は誰か?」という視点が重要になります。
国のトップにはどんな種類があるの?
まず押さえておきたいのは、国の「トップ(リーダー)」には主に以下の3タイプがあるということです。
1. 首相(内閣総理大臣など)
議会制民主主義を採用している国でよく見られるタイプ。議会の多数派から選ばれ、内政を中心に国の運営を担います。
例:日本(石破茂首相)、イギリス(キア・スターマー首相)、オーストラリア(アンソニー・アルバニージー首相)
2. 大統領
大統領制の国では、国民の選挙などによって選ばれた大統領が行政のトップとして大きな権限を持ちます。
例:アメリカ(ドナルド・トランプ大統領)、韓国、ブラジルなど
3. 国王(君主)
立憲君主制をとる国では、王室の「象徴」として国王が存在します。実際の政治権限は少ない場合が多く、実務は首相が行います。
例:イギリス(チャールズ3世国王)、オランダ、タイなど
えっ、国によって“トップ”が何人もいる!?
実は国によっては「トップ」とされる人が2人いるような仕組みの国もあります。
例えばイギリスは「国王チャールズ3世」と「首相キア・スターマー」が存在します。
形式上の国家元首は国王ですが、実際の政治は首相が行っています。
同じく、オーストラリアもイギリス連邦に属しており、国王チャールズ3世を元首としつつ、首相が政治のリーダーです。
こういったケースでは、「象徴」としてのトップと、「実務」のトップが明確に分かれているという仕組みになっています。
一人で何カ国も“トップ”をやっている人も!?
ちょっと驚きなのが、「一人で複数の国の元首になっている人」もいるということです!
たとえばチャールズ3世は、イギリスだけでなくカナダ・オーストラリアなどでも“国王”として君臨しています(英連邦王国)。
でも、実際に政治を動かすのは各国の首相たちです。
- カナダの首相:マーク・カーニー
- オーストラリアの首相:アンソニー・アルバニージー
このように、一人の国王が複数の国の「顔」になっていることも、世界を知るうえで面白いポイントです。
行政のトップ=国家のトップ、とは限らない
たとえばアメリカのバイデン大統領は、国家元首でもあり、行政の長でもあります。
一方、日本の天皇陛下は「象徴」であって、政治的権限は持っていません。
このように、国によって「国家元首」と「行政のトップ」が一致しない場合があることにも注目です。
子どもたちが考えるきっかけに
このテーマは、ニュースを見るときに「この人はどんな立場?」という視点を持たせるきっかけになります。
たとえば、「アメリカのトランプ大統領が…」というニュースを聞いたとき、
「トランプさんは“国のトップ”で、“行政の長”なんだな」と背景がわかるようになります。
櫻學舎では、こうした身近なニュースと関連づけて、子どもたちに“興味の芽”を育てる社会科授業を行っています。
世界に目を向けるって、面白い!
「国のトップ」という切り口で見ていくと、同じ「国」でも仕組みがずいぶん違うことがわかります。
- 王様がいる国(立憲君主制)
- 大統領が全てを決める国(大統領制)
- 首相と大統領が分かれている国(議院内閣制)
こうした違いを知ることで、社会や歴史、ニュースがぐっと身近になります。
まとめ:ニュースの中の「人」にも注目しよう!
「国のトップって誰?」「どう違うの?」という素朴な疑問から始まった今回の授業企画。
ニュースに出てくる“名前”を、「ただの人名」ではなく、「どんな立場の人か」「なぜ重要なのか」と考えることで、社会の見え方はガラッと変わってきます。
まずは自分の知っている国のトップから、少しずつ学んでみませんか?