こんにちは、櫻學舎の降旗です。
今回は三角関数の加法定理、倍角と半角の公式というテーマで記事を書いてみました。
高校数学でよく登場するθ。
角度を表す文字として頻出します。
苦手意識を持っている生徒さんも多いのではないでしょうか?
ここでは、加法定理、倍角と半角の公式について説明します。
三角関数の基本は既に学習済みとして解説します。
じゃん。
これは教科書にそのまま載ってるもの。
11の公式があります。
特に数学が苦手な人に多いのが、公式が覚えられないから数学が苦手、というタイプ。
数学は三角関数に限らず、様々な公式を覚えなければなりません。
公式を確実に覚えられればテストの点数が上がるのも事実です。
しかし、いつも数学のテストで高得点を取っている人は全ての公式を確実に覚えているのでしょうか?
答えは、ノーです。
数学は、論理的に答えを導き出します。
逆に言えば、全ての答えには理由があるのです。
公式一つを取ってみても、その公式は人類がたまたま見つけたものではなく、必要性から作られたものなのです。
数学でいつも高得点を取る人というのは、公式の持つ意味を理解しているので、たとえ公式を正確には覚えていなくても再び作り直すことで正確に答えを導き出せるのです。
このことから、数学ができる人は、実はあまり正確には公式を覚えてはいないのです。
数学ができる人ほど公式を覚えていない、とも言われます。
ですが、あなた方高校生が向かう目標は、大学入試。
常に時間との勝負です。
もちろん、数式の正確性は必要ですが、それと同じくらい計算のスピードも重要になってきます。
計算のスピードを上げるためには、便利な公式を正確に覚えてうまく活用することがその一つの解決策となるでしょう。
従って、高校生にとっては公式の意味を理解しつつ、公式をすぐに使えるよう、完全に暗記するのが理想と言えるでしょう。
今回取り上げた公式は11、もちろん最終的には全て覚えて欲しいですが、加法定理の3つの式を覚えていれば、他の8つの公式は簡単に導出できます。
(加法定理の導出は結構やっかいなので、覚えてしまった方が楽です。)
以下、覚え方と導出です。
加法定理はリズムで覚えましょう。
sinは、
sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ
サインコサイン、コサインサイン。
cosは、
cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ
コサインコサイン、サインサイン。
符号が逆になるので注意しましょう。
sinのSはstraight、cosのCはchangeみたいな感じで。
tanは、
tan(α+β)=(tanα+tanβ)/(1-tanαtanβ)
1ひくタンタン、タンたすタン。
咲いたコスモス、コスモス咲いた。コスモスコスモス、咲いた咲いた。等、語呂で覚える方法もありますが覚えやすい方を選んでください。
残念ながら、2倍角の覚え方はありません。
自分で面白い覚え方を見つけるか、形で覚えましょう。
導出は、とてもシンプルです。
2倍角とはつまり、sin2θ= sin(θ+θ)ということです。
これはそのまま加法定理が使えそうですね。
sinの加法定理のα, ßの両方をθに代えてみてください。
10秒で導出できます。
cos, tan も同様です。
cos2αは式が長いですが、これは(sinα)^2, (cosα)^2をそれぞれ1-(cosα)^2, 1-(sinα)^2に変換して整理しているだけです。
ですが、これらの式を全て覚えるのは重要です。
tan2αは加法定理からでも、またはtan2α=sin2α/cos2αからでも簡単に導出できます。
これも覚え方がありません。
導出にはcosの2倍角の公式を使います。
2倍角の公式をsinα、あるいはcosαについて解いているだけです。
tanの半角は、(tanα)^2=(sinα)^2/(cosα)^2から導出します。
この式は語呂で覚えるのが有効そうです。
sin3α=3sinα-4(sinα)^3
ミシン引くよ、シンさん。
cos3α=4(cosα)^3-3cosα
陽子さん引く神輿(みこし)。
ポイントはみこしの最後を少し訛らせてミコスと覚えるところ。
田舎育ちの陽子さんがお祭りで張り切って神輿を引いている情景が思い浮かびます。
以上、公式いろいろの覚え方・導出でしたが、いかがでしたでしょうか?
θはマシターできましたか?
数学は正確さとスピードが要求されます。
高校数学をマスターできるよう、公式を丸暗記する方法、公式の持つ意味を理解する方法、2つの道でチャレンジしてみては?
出典
加法定理 公式・証明・覚え方