こんにちは!櫻學舎講師の菊池涼です!
今回は中学高校ともに学ぶ、地理から「時差」についてマスターしていきたいと思います。
地理という科目自体は暗記科目なのに、計算問題が皆さんを悩ませる「時差」。
ただ都市間の時差を求めるだけなら簡単でも、飛行機による移動時間が加わってくると難しく感じてしまいますよね。
でもご安心を!
計算手順をマスターすれば案外簡単に解けてしまいます!
Travelers Cafe World Gallery http://www.travelerscafe.jpn.org/worldmap.html より
そもそも時差と何なのか?大辞泉によると「各地によって違う時刻の差。世界の各標準時相互間の差。」ということで、字のまんまですね。
時差は経度15 度につき1時間だけ生じます。つまり15度ずれるごとに1時間ずつプラスされていくので本初子午線のある経度0度のイギリスと東経135度の日本では135÷15=9時間の時差があります。
因みに
本初子午線はイギリスの旧グリニッジ天文台、
日本の時間を決める基準になっている標準時子午線は兵庫県の明石市になっています。
では次の項から例題を交えながら解説していきたいと思います。
経度は本初子午線を基準に決まっているため本初子午線から東か西かで東経、西経と呼び方が変わってきます。地球は球体なので北極側からみると360度の円になっています。これを東と西で分けるため東経西経ともに180度まであります。
今回は二つの国が東経のみで表せる場合を考えます。(東経の場合を扱うのは日本が東経で表されるため頻出だからです。西経も東経と同様にして解けます)
Q1 エジプトのカイロ(東経30度)と日本の東京との時差は何時間でしょう?
A1 まずこの2つの都市の経度の差を求めます。カイロも東京も東経なので、値の大きいほうから小さいほうを引きます。
135-30=105
よって2都市間の経度の差は105度です。あとはこれを15で割るだけ!答えは7時間です。
Q2 日本の東京とアメリカのロサンゼルスの時差(西経120 度)は何時間でしょう?
A2 2つの国がイギリスより東側と西側で分かれているとき、2.1の場合とは異なり引き算ではなく足し算をします。そもそも2.1で引き算をしたのは2つの都市の経度の差を知りたかったから。今回も経度の差を知りたいのでイギリスからの経度を足すことで調べます。
東京の東経135度とロサンゼルスの西経120度を足して15で割ればいいから
135+120=255
255÷15=17
よって答えは17時間です。
Q3 日本が7月7日、午前9時の時、アメリカのニューヨーク(西経75度)は何日の何時でしょうか?
A3 まずはセオリー通り時差を求めましょう。
135+75=210
210÷15=14
よって時差は14時間です。そもそも日付は太平洋上にある日付変更線を基準に決まっています。日付変更線の左側から順番に日付が変わっていくので日本の方がアメリカよりも早く時間が進みます。つまり日本が7月7日の午前9時のとき、アメリカはこの時間よりも14時間遅い7月6日の午後7時で、これが答えです。
Q4 ロンドンを1月1日の午前9時に出発した飛行機が、13時間かかって東京(成田)に到着しました。東京の現地時刻では、到着は何日の何時でしょう?
A4 一気に意味が分からなくなった感じがしますね…。ただでさえ時差があってややこしいのに13時間の移動距離が追加されてしまいました。でも、これもまずはセオリー通りに解いてみましょう。
135÷15=9
よって時差は9時間。つまり飛行機は日本側の視点を持ってみると、日本が午後6時の時にロンドンを出発したということになります。あとは13時間かかったということですから(時間の定義は変わらないので時差があっても13時間はどこにいても13時間です)午後6時の13時間後は翌日の午前7時。よって答えは1月2日の午前7時です。
Q サンタクロースが12月25日の午前5時にエジプトのカイロをそりで出発しましたが様々な国を回った結果、11時間かかってアメリカのニューヨークに到着しました。ニューヨークの現地時刻では、到着は何日の何時でしょう?
A まずはカイロ(東経30度)とニューヨーク(西経75度)の時差を求めましょう。
30+75=105
105÷15=7
よって時差は7時間ですね。カイロが12月25日の午前5時のときニューヨークは同日の正午です。到着はこの11時間後だから答えは12月25日の午後11時。ぎりぎりクリスマスに間に合いましたね。
この他に国際電話をかけた場合やサマータイムを考慮した場合の問題がありますが基本的には時差を求めたのちに簡単な足し算引き算をするだけなのでビビることはありません。3の演習のように人名や乗り物が独特でもやることは変わりません。時差満点を目指しましょう。
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