こんにちは、櫻學舎の高橋です。
今回は体操で金メダルを獲得した内村航平選手と「マンガ」の関係性というテーマで書いてみました。
日本体操男子の内村航平選手が2016年リオオリンピックで、念願の団体金、そして個人総合では2連覇を果たしました。
これはものすごい快挙で、ニュースを見ても個人総合のベルニャエフ選手との戦いは歴史に残る接戦だったと報じられています。
個人的にこのニュースにはものすごく興奮しました。
前回の中国で開催された世界選手権では惜しくも二位に甘んじましたが、今回は堂々の金メダルです。
この金メダル、内村選手には特に感慨深いものだったでしょう。
彼は以前から「団体で金メダルを取りたい」と公言していました。
彼自身すでにロンドンオリンピックの体操個人総合で金メダルを取っているのにも関わらず、です。
そして、今回のリオ五輪で見事団体金メダルを獲得することができました。
ではなぜ内村選手はここまで世界で活躍する選手に成長したのでしょうか。
その背景にはある「マンガ」の存在がありました。
「ガンバFlyHigh!」というマンガはご存知でしょうか?
恐らく知っている人は知っている、体操マンガの金字塔です。
このマンガは1994年~2000年まで週刊少年サンデーで連載されていた体操競技を題材にした物語です。
主人公は「藤巻駿」。
平成学園中学に入学した日、直接体育館に行って放った第一声が
「ぼく、オリンピックで金メダルを獲りたいんです!!」
しかし、いざ入部してみると逆上がりもできない、逆立ちもできない、とてもではありませんがオリンピックで金メダルを獲れるような片鱗はありませんでした。
そんなところからストーリーは始まります。
藤巻駿が所属した平成学園体操部は部員数3人の「超」弱小体操部。
在籍している先輩たちはやる気ない人ばかりで、廃部も検討されている部活でした。
当然、藤巻駿の夢も笑われます。
しかも、体操部ではない同クラスの友人の方が逆立ちがうまいという始末。
クラス内でも笑われる存在でした。
しかし、彼はあきらめません。
先輩に何とかコツを教えてもらいながらまずは逆立ちをマスターし、そして逆上がりもできるようになっていきます。
そして、藤巻駿は徐々に成長し、平成学園体操部の中心的存在になっていきます。
途中、様々なライバルや苦難に遭遇しますが、屈することなく自分の目標に向かって突き進む姿は、読者に勇気を与えるものでした。
そして大会を重ね、年月を重ねるごとに彼の存在は大きくなり、最終巻では見事彼自身の夢であったオリンピックの「金メダル」を手にします。
実を言うと、私自身もこの「ガンバFlyHigh!」の読者であり、ファンの一人でした。
主人公である藤巻駿には読者や、物語の中のライバルたちでさえも引き込む「魅力」がありました。
その魅力とは何だったのでしょう?
彼は誰よりも体操が好きでした。
当然最初は体操初心者で、どうやっても自分の思い通りにはいかない場面も多くありました。
それでも彼はあきらめません。
なぜなら彼には「体操が好き」という思いと、そして「金メダルを獲る」という夢があったからです。
彼のモットーは「楽しい体操」でした。
その姿に私も引き込まれ、読者でありながらも彼の夢を応援してしまいました。
毎号毎号楽しみにしていたのを覚えています。
内村選手も彼のこの純粋に体操を楽しんでいる様子に引き込まれたのではないでしょうか。
事実、彼自身も「楽しい体操」、「美しい体操」と「ガンバFlyHigh!」に出てくる言葉を使用しています。
その言葉通り彼の体操は誰よりも美しく、誰よりも楽しそうに演技しているように見えます。
私は子供のころ、厳しい過程で育ったので、娯楽というものがありませんでした。
当然、マンガもご法度です。
ですが、なぜかガンバは読んでいました。
今の体操選手の7割はガンバがきっかけで体操を始めたという人が多いと言います。
そして、ガンバの提唱する「楽しい体操」で、内村選手は金メダルを獲得しました。
他にも、サッカーであれば「キャプテン翼」、バスケットボールであれば「スラムダンク」などがあります。
実際今の、私と同年代のスポーツ選手はこれらのマンガに影響されてスポーツを始めた人も多いと思います。
マンガを読むと馬鹿になると私自身子供の頃に言われましたが、確かに勉強を疎かにしてしまえば成績は下がります。
ですが、マンガでは勉強では学ぶことができないことを学ぶことができます。
親御さんは一概にマンガはダメというのではなく、バランスを考えながら適宜娯楽を与えていくのもいいと思います。