今や電化製品や電子機器の発展は目覚ましいものがあり、次から次へと新しい製品が開発発売されています。
それらの電子機器、携帯電話やデジタルカメラなどに絶対に欠かせないのが「リチウムイオン電池」です。
リチウム電池の原料であるリチウムは、全世界で争奪戦が繰り広げられ、リチウムを制する国は電子機器を制するといっても過言ではありません。
リチウムイオン電池に欠かせないレアメタル「リチウム」、このリチウムは、なぜか南米大陸の国々で多く採集されることをご存じでしょうか。
リチウムが南米大陸で多く取れるわけ、それは南米大陸にある塩湖や塩地が深く関係しています。
南米大陸のチリ、ボリビアなどには特に塩湖や塩地が多く、この事がレアメタルであるリチウムの採取と深く関係しています。
実はリチウムは鉱石などから採取することもできますが、現在のリチウムの採取方法として主流なのが、塩湖から塩地から採取するという方法なのです。
塩湖などの水には、塩分が非常にたっぷりと含まれています。これは「かん水」と呼ばれています。かん水を天日に干すことで、効率よくリチウムを取りだすことができるので、大量のリチウムを得ることができるというわけです。
現在利用されているリチウムの資源のうち、64パーセントくらいは上記の「かん水」から採取されています。
この3つの国のリチウムだけで、かん水から採取される世界のリチウムの約8割を占める。
リチウムを多く含む塩湖や塩地の条件としては、大昔海の底だった場所になります。
海水にはリチウムが溶け込んでいているため、海の底から隆起し山へと姿を変えたとき、海水に含まれるリチウムをたたえたまま山へとそびえたったのです。
世界にある塩湖や塩地のうち、南米にある塩湖や塩地が多くのリチウムを含んでいるわけは、もともと海水の中にあった地だという理由からです。
雨のたびに南米のアンデス山脈の岩石に含まれるリチウムが塩湖へと流れ込み、蒸発をくり返すことによってその濃度をどんどん増していきます。
こうして南米の塩湖や塩地は、世界一のリチウム産出国になる事ができているのです。