櫻學舎の高橋です。
本日は、恐らく殆どの方が一度はやったことがあるだろう「ピザを10回言ってみて」のクイズについてご紹介します。
昔からあるクイズを一題、出題します。
まず、ピザって10回言ってください。
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言えましたでしょうか。
では、問題です。
腕の手と方の間にある関節をなんと呼ぶでしょうか?
と聞かれて「ひざ!」と答えた経験がある人が多いのはないでしょうか。ちなみに正しくは「ひじ」です。
この様なひっかけ問題は他にもたくさんあり「みりん」と10回言ってもらった後に「鼻の長い動物は?」と聞いて「きりん」と答えてしまったり様々なパターンが存在します。
この様なひっかけクイズについて、事前にピザと10回言わされなかったら、みりんと10回言わせられなかったらおそらく間違えなかったでしょう。
なぜ僕たちは、クイズに引っかかってしまうのでしょう。
実はこれは心理学的に重要なテーマなのです。
心理学ではプライミング効果と呼ばれるものが存在するとされています。
プライミング効果とは「先行する刺激(プライマー)の処理が後の刺激(ターゲット)の処理を促進または抑制する効果のこと」を指します。
ちなみにこの効果は無意識で行われるので私たちはあまり自覚する事はできません。
先ほどのひっかけクイズについては「ピザ」や「みりん」というフレーズを10回言って頭にこびりついた状態で、言葉のフレーズに引っ張られて。「ひざ」や「きりん」と言ってしまうのです。
もう一つクイズをだしてみましょう。
「キリン シマウマ ライオン チーター」について1分間思い浮かべてください。
できましたでしょうか?
その状態で大きいモノをなんでも良いので思い浮かべてください。
何が思い浮かびましたでしょうか。
おそらく「ゾウ」が思い浮かんだ人が多いのがないでしょうか。
これは直前まで動物の情報ばかりを脳に刺激として与える事によって、次の質問に対しても動物という前提で考えてしまうからです。
私たちは知らず知らずのうちにプライミング効果によって騙されています。
例えば、家を借りる際に不動産屋さんと回るときに、不動産屋さんは本命の物件を見せる際に同じような条件であえて悪い物件を見せた後に本命の物件に移動します。
これは、直前のちょっと悪い物件をプライミングしておくことにより本命の物件をよりよく見せる為です。
他にもレッドブルやモンスターなどのエナジードリンクは栄養ドリンクのコーナーにあります。
レッドブルをジュースとして見ると普通のジュースより高く感じ、栄養ドリンクとして見ると安く感じるので、栄養ドリンクのコーナーに置くことによって、レッドブルを買おうか悩む前に「レッドブルは栄養ドリンクの仲間」だというプライミングを行い、レッドブルの値段の高さを感じさせないようにする為の戦略なのです。
この様に私たちは知らない間にプライミング効果によって行動を操られているかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
私達が生活する身の周りには、このように心理学を織り交ぜた販売戦略であふれています。
企業が商品を販売するためには様々な心理学効果を使った戦略が使われているので、新しい発見にもなると思います。
ぜひ機会があれば調べてみてくださいね。