こんにちは!櫻學舎講師の山口です。
今回は絶対値と絶対値を含む方程式の解き方について書いていこうと思います。
絶対値とは、ある数に対して正負を考えずにその数がどれだけの大きさを持っているかを示したものです。
わかりやすく言いかえれば、数直線上で0からどれだけ離れているかということです。
例えば、3の絶対値は3で、-2の絶対値は2となります。
ある数nの絶対値は|n|と表し、|3|=3、|-2|=2 となります。
基本的な絶対値の外し方は上に記した通り、|3|=3、|-2|=2というようになります。符号を考えないというような理解で良いと思います。
次に簡単な絶対値が含まれている方程式です。
|x|=5
5とー5の絶対値が5であるため、この方程式の解はx=5、-5となります。x=±5という書き方を一般的にします。
では、|x-2|=3ではどうでしょうか。
|x-2|の絶対値が3であるので、絶対値を外して書くとx-2=±3となります。3とー3の場合に分けて書くと、x=5、-1が解になります。
また、符号を変化させる方を逆にして ±(x-2)=3という風にもできます。こちらの考え方は次に説明する絶対値を複数含む方程式で役に立ちます。
絶対値を複数含む方程式を考えてみましょう。
|x-1|+|x-2|=x
絶対値が複数含む場合は、
絶対値の中身がともに正(0を含む)
絶対値の中身が異符号
絶対値の中身がともに負(0を含まない)
という風に場合分けします。
絶対値の中身がともに正のとき、つまりx≧1、x≧2のとき、方程式は2x-3=xとなります。解はx=3となります。
ここで注意してほしいポイントは、解が定めた範囲を満たしているかです。範囲はx≧2であるから、x=3は満たします。
次に異符号のときです。x-1≧x-2だから、このときx-1が正、x-2が負となります。1≦x≺2ですね。
このとき、x-1-(x-2)=xとなります。解はx=1で定めた範囲を満たします。
最後にともに負のときです。xの範囲はx<1のときです。このとき、-(x-1)ー(x-2)=xとなります。
解はx=1となりますが、xの範囲x<1を満たさないためこの解は不適切となります。
よって、|x-1|+|x-2|=xの解は、x=1,3となります。
||x-4|-3|=2
絶対値のなかに絶対値がある場合は、場合分けをして一つ一つ絶対値を外していきます。
まず、内側の絶対値を外します。上の方程式はx≧4のとき、|x-7|=2、x≺2のとき|-x+1|=2となります。それぞれについて解いていきます。
1.x≧4のとき
|x-7|=2はx-7=±2と絶対値を外すことができます。解はx=9、5となります。ともにx≧4を満たします。
2.x<4のとき
|-x+1|=2はーx+1=±2と同じようにできます。解は、x=3、-1となります。これもx<4を満たします。
絶対値を含む計算で一番重要なことは、絶対値の中身が正か負かを一つ一つ場合分けをしていくことです。
これが落ち着いてできるようになれば、絶対値がいくら複雑になっても計算することができます。
最後に解が場合分けの際に定めた範囲を満たすか確認することを忘れないでください!
絶対値の計算は問題の難易度を上げるために、様々な分野に入ってくるため、よくわからないという方はぜひ参考にしてください!