こんにちは!
櫻學舎講師の山口です。
今回は三角関数の和積の公式と積和の公式の導出について書きたいと思います。
これらの公式は数が多く、複雑で覚えるのが大変ですよね・・・
しかし、コツをつかめば、三角関数の加法定理から簡単に公式を導くことができます!
まずは、積和、和積の公式の導出に欠かせない加法定理のおさらいです。
sin(a+b)=sin(a)cos(b)+cos(a)sin(b)
sin(a-b)=sin(a)cos(b)-cos(a)sin(b)
cos(a+b)=cos(a)cos(b)-sin(a)sin(b)
cos(a-b)=cos(a)cos(b)+sin(a)sin(b)
加法定理は三角関数の基礎ですから、確実に覚えてしまいましょう。
積和の公式は三角関数の積を和の形になおす公式です。主に積分計算で使います。
積和の公式は加法定理を足し合わせることによって求めることができます。
例えば・・・
sin(a)sin(b)
この場合、加法定理からsin(a)sin(b)を含む2つを選び、sin(a)sin(b)が残るように足したり、引いたりしていきます。
cos(a+b)=cos(a)cos(b)-sin(a)sin(b)
cos(a-b)=cos(a)cos(b)+sin(a)sin(b)
この二つを選べば良いですね。
cos(a-b)-cos(a+b)=2sin(a)sin(b) と計算できます。
同じようにsin(a)cos(b)、cos(a)sin(b)、cos(a)cos(b)を求める際にも、これらを含む2つを選び和か差を考えれば求めることができます。
よって積和の公式は以下のようになります。
cos(a-b)-cos(a+b)=2sin(a)sin(b)・・・①
sin(a+b)+sin(a-b)=2sin(a)cos(b)・・・②
cos(a+b)+cos(a-b)=2cos(a)cos(b)・・・③
sin(a+b)-sin(a-b)=2cos(a)sin(b)・・・④
次に和積の公式です。
和積の公式は積和の公式を用いて求めるのが楽です。
上の①で実際に求めてみましょう。
A=a+b、B=a-bとおいて計算してみましょう。 そうすると、a=(A+B)/2、b=(A-B)/2となります。
これを①に代入して計算すると・・・
cos(A)-cos(B)=2sin((A+B)/2)sin((A-B)/2)
となります。これが和積の公式です!
和積の公式は積和の公式の数を変えればできてしまうのです!
同様に②、③、④で和積の公式になおすと次のようになります。
sin(A)+sin(B)=2sin((A+B)/2)cos((A+B)/2)
cos(A)-cos(B)=-2cos((A+B)/2)sin((A-B)/2)
sin(A)-sin(B)=2cos((A+B)/2)sin((A+B)/2)
積和、和積の公式は三角関数の加法定理から求めることができます。
ポイントはまず、加法定理の中で積を和になおしたい部分が共通の2つを選ぶことです。
和積の公式では、積和の公式の数値を置き換えることによって求めることができるということです。
試験中でも求めることができるくらい手軽に求めることができるので、覚えられないという方は加法定理をマスターしたうえで和積、積和の公式を求められるようにしてはいかかですか?