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子どもが素直に動き出す“伝え方”のコツ|叱るより効くコミュニケーション術

勉強する親子

お子さんに「勉強しなさい」と声をかけたとき、
「今やろうと思ってたのに!」
「わかってるってば!」
と反発されてしまった経験はありませんか?

多くの保護者の方が、「どうして素直に聞いてくれないんだろう…」と悩んでいます。しかし、その原因は“やる気がないから”でも“反抗しているから”でもありません。

実は、お子さんが動けない理由の大半は 「伝え方」 にあります。

子どもは、大人以上に“認められたい”“納得したい”という気持ちを強く持っています。だからこそ、少し声のかけ方を変えるだけで、お子さんの反応や行動が大きく変わります。

今回は、櫻學舎でも大切にしている「子どもが

素直に動き出す伝え方のコツ」をわかりやすく紹介します。

目次

子どもが反発してしまう理由

落ち込む女子高生

勉強の声かけをしたときに返ってくる
「今やろうと思ってたのに!」
「わかってるってば!」
という言葉。一見、反抗しているように思えますが、実はそうとは限りません。子どもが反発してしまうのには、いくつかの理由があります。

① 「責められている」と感じやすいから

大人にとっては“普通の声かけ”でも、子どもにとっては
「ダメ出しされた」「否定された」
と受け取ってしまうこともあります。

特に思春期は、自己肯定感が揺れやすく、ちょっとした言葉でも心が反応しやすい時期です。

② 納得できないと行動に移せないから

大人は「やるべきことだから」と行動できますが、子どもは “理由” がわからないと動けない という特徴があります。

「どうしてやらなきゃいけないの?」
「今の自分に必要なの?」

こうした疑問が心の中にあると、どんなに正しい指示でも受け入れづらくなります。

③ 自分の努力が見えていないと感じるから

子どもは自分なりに頑張っている部分を“わかってほしい”と思っています。

  • 少しでも机に向かった
  • 提出物を気にしていた
  • 学校で頑張った
  • 部活で疲れているのに宿題に取り組もうとしている

こうした小さな努力が伝わらないと、「どうせ自分のことなんて見てくれていない」と感じ、心を閉ざしてしまいます。

④「命令形」に敏感

「早くやりなさい」
「なんでやってないの?」
といった言葉は、行動を促す前にプライドを刺激してしまいます。

子どもは “自分で決めたい” 気持ちが強いため、命令されると反発しやすくなります。

⑤ “怒られる未来”を先に想像してしまう

声をかけられた瞬間に、「また怒られるかも」という気持ちが先に出ると、心が防御モードになり反発につながります。

子どもの反発は “わざと反抗している” わけではなく、心を守るための自然な反応 です。

だからこそ、
「頑張りを認める」「理由を伝える」
という工夫が、子どもが素直に行動するカギになります。

子どもが動き出す“伝え方の2原則”

楽しそうに勉強する女子生徒

子どもが勉強に素直に向き合えるかどうかは、注意の仕方ではなく 「伝え方」 に左右されます。
櫻學舎でも多くの生徒を指導する中で効果が高いと感じているのが、次の2つの原則です。

① まずは「頑張りを認める」

勉強の声かけをする前に、まずお子さんの努力を認めること。これは、どんなアドバイスよりも大きな効果があります。子どもは大人以上に、「見てほしい」「わかってほしい」という気持ちが強いものです。そのため、最初に頑張りを認められると心の緊張がほぐれ、アドバイスを受け入れやすくなります。

なぜ“認める”ことが大事なのか?

  • 「否定されている」という気持ちを防げる
  • 心がオープンになり、素直に話が聞ける
  • 自分の努力が見られている安心感が生まれる
  • 注意が「攻撃」ではなく「サポート」として伝わる

すぐ使える“認め言葉”の例

  • 「最近ちょっとずつ集中できるようになってきたね」
  • 「部活で疲れているのに頑張っててすごいね」
  • 「この前よりも机に向かう時間が増えてきたね」

短い言葉でも、お子さんの心のぬくもりは大きく変わります。

② 「理由」をセットで伝える

次に大切なのは、「なぜそれをしてほしいのか」を一緒に伝えることです。子どもは“納得できない指示”にはなかなか動けません。理由を添えると、行動の必要性が理解でき、「やらされている」から「やってみよう」に気持ちが変わっていきます。

櫻學舎で実際に使っている声かけの例

  • 「せっかくたくさん勉強しているのに、解き直しをしないと点数につながらなくてもったいないよ」
  • 「課題を持ってきてくれると、苦手を把握できてもっと伸ばすアドバイスができるんだ」
  • 「今ここを仕上げておくと、次のテストで自信をもって解けるようになるよ」

どれも「怒られている」ではなく、「期待されている」と感じられる伝え方です。

子どもは“納得すると動ける”

  • 行動の意味がわかると、自分から動きやすくなる
  • 心の負担が減り、前向きになれる
  • 課題が“自分事”として捉えられるようになる

子どもが動き出すためのカギは、「頑張りを認める」+「理由を伝える」 のセットです。この二つが揃ったとき、注意ではなく“成長を後押しするコミュニケーション”になります。

“認める+理由”で子どもが変わるワケ

自宅で勉強する男子中学生

「頑張りを認める」「理由を伝える」という2つの声かけは、どちらか片方だけでは十分ではありません。この2つがセットになることで、はじめて子どもの心にまっすぐ届き、行動の変化が生まれます。ここでは、その理由を3つの視点から解説します。

① 「わかってくれている」という安心感が生まれる

子どもは、大人以上に「自分の気持ちを分かってほしい」と強く願っています。注意や指示の前に 頑張りを認められる と、心の緊張がほぐれ、そのあとの言葉を素直に受け取る準備が整います。

  • 心の防御反応が弱まり、反発が減る
  • “否定されている”ではなく、“応援されている”と感じられる
  • 自分の努力が伝わっているという安心感から前向きになる

この“安心”が、次の行動につながる最初の土台になります。

② 行動の意味がわかり「やってみよう」に変わる

子どもが行動しづらいのは、サボっているからではなく、「なぜ必要なのか」が理解できていないから ということが多いです。理由をセットで伝えられると、行動の目的がクリアになり、“やらされている”状態から“自分でやる”状態へと切り替わります。

  • 「今解き直しをすると、次のテストで点につながるよ」
  • 「課題を持ってくると、あなたに合ったアドバイスができるんだ」

こうした言葉は、子どもにとって “納得できる理由” です。


4-3. 自己肯定感が育ち、継続力が伸びる

「認められる」→「理由がわかる」→「動ける」
この流れができると、子どもは自信を持って行動できるようになります。

  • 自分はできる、もっと頑張れると思える
  • 注意されてもネガティブに受け止めにくくなる
  • 行動が続くことで、結果が出やすくなる

つまり“認める+理由”は、 行動だけでなく、子どもの心そのものを育てる声かけ なのです。

“認める”は安心を生み、“理由を伝える”ことで納得が生まれ、この2つがそろうことで、子どもの行動は自然と前向きに変わっていきます。

次は「5. 今日からできる伝え方チェックリスト」も作成できます。

今日からできる伝え方チェックリスト

お子さんの反応が変わるのは、特別なテクニックではありません。日常の中で少し意識を変えるだけで、親子のコミュニケーションは大きく良い方向へ動きます。以下のチェックリストは、櫻學舎の指導現場でも効果が高かった「即実践できる」声かけの工夫です。

① 声をかける前に“心を開くひと言”を添える

注意の前に、まず認める。これが基本です。

チェック項目

  • 「疲れてるのに頑張ってるね」と先に伝えている
  • 頑張りや変化を見つけたら、すぐ言葉にしている
  • ダメ出しより先に“良いところ探し”をしている

すぐ使える言葉

  • 「昨日より集中できてきたね」
  • 「部活大変なのに、よくやってるよ」
  • 「少しずつ前に進んでるね」

② 指示は“理由づけ”とセットで

「やりなさい!」だけでは動けません。子どもは“納得してから動く”という特徴があります。

チェック項目

  • 行動してほしい理由を説明できている
  • 子どもにとっての“メリット”を伝えている
  • 何をするとどう良くなるのかが明確になっている

伝え方の例

  • 「解き直しをすると、理解が深まって次のテストで点が取りやすくなるよ」
  • 「課題を持ってきてくれると、あなたに合ったアドバイスができるよ」

③ 命令ではなく“提案”にする

同じ内容でも、言い方ひとつで印象は大きく変わります。

チェック項目

  • 命令形ではなく、選択肢を与えている
  • 子ども自身が“決めた”と思えるようにしている
  • 口調が責めになっていない

伝え方の例

  • 「今から10分だけやってみるのはどう?」
  • 「どっちのページからやりたい?」
  • 「これ、次のテストに役立ちそうだよ」

④ 子どもの“気持ち”に言葉を添える

勉強できない時は、怠けているのではなく気持ちがついていかないことが多いです。

チェック項目

  • 「疲れてるよね」と気持ちを代弁できている
  • 無理に追い込まず、共感を優先している
  • 気持ちが落ち着いてから勉強の話をしている

共感の言葉

  • 「今日は疲れたよね。ちょっと休んでからやろうか」
  • 「気持ちがのらない時あるよね、わかるよ」

⑤ “信じているよ”を言葉にする

子どもは、自分を信じてくれる人の存在で大きく変わります。

チェック項目

  • 成長への期待を伝えている
  • 努力を見逃さずに声をかけている
  • お子さんの可能性を言葉で示している

励ましの言葉

  • 「あなたならできると思ってるよ」
  • 「前より確実に伸びてるよ」
  • 「期待してるよ、応援してるよ」

今日紹介したチェックポイントは、すべて特別な準備はいりません。
明日からでも、今からでも始められるものばかりです。

  • 認める
  • 理由を伝える
  • 命令より提案
  • 共感を忘れない
  • 信じる気持ちを言葉にする

小さな声かけの積み重ねが、お子さんのやる気・自信・行動を大きく変えていきます。

まとめ|子どものやる気を引き出すのは“伝え方”

子どもにとって、勉強は大人が思う以上にエネルギーが必要なもの。
だからこそ、お子さんが動きやすくなるためには、まず 心が安心できる環境づくり が大切です。

今回紹介した、「認める」「理由を伝える」という2つの声かけは、
そのためのもっとも効果的な方法です。

  • 「頑張りを見てくれている」と感じられる
  • 「なぜ必要なのか」がわかり、納得して行動できる
  • “怒られたからやる”ではなく、“自分のためにやる”に変わる

この変化が、子どものやる気・自信・継続力を育てていきます。

勉強に向かうお子さんを応援する気持ちは、どの保護者も同じです。
その気持ちが伝わる“声のかけ方”に少し工夫を加えるだけで、
親子のコミュニケーションはより豊かになり、お子さんの成長にもつながります。

そして何より――
お子さんは「信じてくれる人」の存在で、大きく伸びる力を持っています。

あなたのひと言が、お子さんの行動と未来を変えていきます。
ぜひ今日から、やさしく、前向きな伝え方を意識してみてください。

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この記事を書いた人

櫻學舎は仙台市とさいたま市の定額制個別指導塾です。代表は大手個別指導塾で講師として指名・授業数5年連続No.1。東北大・慶應医学部・上智・学習院など、難関校への合格者を多数輩出。教育現場での知見をもとに、より実践的な学習情報をお届けしています。

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