こんにちは!櫻學舎の早坂です。
突然ですが、
「皆さんの知っていることわざを一つ挙げてください」
と言われたらどんなものが思い浮かびますか?
何か一つは思い浮かぶかと思います。
ではこちらはどうでしょう?
「皆さんの知っている慣用句を一つ挙げてください」
「そんなの余裕だよ!」という人は素晴らしいです!
でも…あれれ。それらしい言葉は知ってるけどこれってことわざかな、慣用句かな。
なんとなく雰囲気で違いは分かるけど、実際どう違うんだろう…。
そんな風に思った人もいるのではないでしょうか?
そこで、今日は意外と知らない人も多い『慣用句とことわざの違い』について解説したいと思います!実際にすぐ使えそうな例もいくつかピックアップするので、是非参考にしてみてください(^^)♪
まず、それぞれの言葉の意味を辞書で調べてみましょう。
(今回はgoo国語辞書を利用しました!)
『慣用句』という言葉を辞書で引いてみると、次のように書いてあります。
二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表すもの。「油を売る」「あごを出す」の類。イディオム。慣用語。
次に『ことわざ』については次のように書いてあります。
古くから言い伝えられてきた、教訓または風刺の意味を含んだ短い言葉。生活体験からきた社会常識を示すものが多い。「情けは人のためならず」「まかぬ種は生えぬ」の類。
それでは二つについて詳しく説明していきましょう。
慣用句とは長い間習慣として使われてきた言い回しや、ひとまとまりの言葉や文句のことを指し、主に会話や文章の中で用いられます。
慣用句は独立した単語が組み合わさり、単語本来の意味とは異なる意味を持つようになって定着した言葉です。したがって、慣用句は一種の比喩表現ともいうことができます。
また、その意味することが固定されているのが慣用句の特徴でもあります。
例えば、慣用句では怒りを感じることを『腹が立つ』などと表現します。
実際にお腹は立ったりしませんよね?
ですが私達は『腹が立つ』=『怒りを感じる』と理解しています。
そのような使い方をされてきた言い回しのことを慣用句といいます。
一方ことわざとは、昔から伝えられてきた格言や教訓、皮肉や知恵、風刺などを含んだ言葉を指します。慣用句が会話や文章の中で用いられるのとは反対に、ことわざは単体で成立します。
また、誰が聞いても納得するような意味のものが多いのもことわざの特徴であり、海外など異なる文化において同じ内容を表すことわざも多く存在します。
例えば、「人から何度も聞くより、一度実際に自分の目で見るほうが確かであり、よくわかる」という意味を持つ『百聞は一見に如かず』ということわざは、英語でSeeing is believing(見ることは信じることである)と表現されます。
慣用句のような比喩的な表現とは違い、直接的でわかりやすいのがことわざであるともいえるでしょう。
それではここからは上記で紹介した慣用句と、意味をおさえておきたい慣用句を紹介していこうと思います。
テスト対策には勿論、日常生活の中でも使える表現が多いのでしっかり覚えておきましょう!
まずは例文に出てきた慣用句二つから。
むだ話などをして仕事を怠けること。
これは江戸時代の油売りが客のところへ油を届けに行った際、客の枡(ます)に油を注ぎ終わるまで長々と世間話をしながら油を売っていたところから転じた言葉です。
ただ、油は水と違って粘性が高く、柄杓を使って桶から客の桝に移すのにも時間がかかってしまうため、実際は怠けようとして長々と世間話をしていた訳ではないようです。
ひどく疲れて足が動かず、あごだけが前に出る。疲れ切ってどうにもならない状態をたとえていう。
続いてはよく耳にする慣用句、間違いやすい慣用句です。
相手の言葉尻や言い間違い、ちょっとした失敗などを取り上げて相手を責めること。
この「揚げ足」は、相撲や柔道などで相手が技を掛けようとして揚げた足のことを意味しています。揚げ足を取って相手を倒すことから転じて、相手の失言や失敗につけ込んで皮肉を言ったりする、という意味になりました。
相手に負い目があったり、権力に押されたりして、対等にふるまえない。
例:△△君に文句を言いたいけれど、いつも勉強を教えてもらっているので頭が上がらない。
感心して敬服せずにはいられない。
例:○○さんはいつも皆に気配りができていて素晴らしいね。本当に頭が下がるよ。
上にある「頭が上がらない」と間違えて使ってしまうことが多いので注意しましょう。
「頭が下がる」とは相手に対し凄く感動や感謝をして尊敬しているときのことを指し、「頭が上がらない」は自分が何か悪いことや失敗をした、弱みを握られているなどで相手より立場が下にあるときのことを指します。
あまりのおいしさに舌を鳴らす。食べ物がおいしいことを表す。
この慣用句も間違いやすく、「したづつみ」と読んでしまう人が多いので気を付けましょう!
鼓(つづみ)とは日本に古くからある和楽器のことです。
このようにして見ていくと、慣用句には体の一部が使われているものが非常に多いということがわかります!
この他にもたくさんの表現があり、どれも「あ~、なるほど!」と思う物だったりよく聞く表現だったりもするので、是非みなさんもこの機会に調べてみてくださいね(^^)
続いてことわざ編です。
それではこちらも例文に出てきたものから見ていきましょう。
人に親切にすれば、その相手のためになるだけでなく、やがては巡り巡ってよい報いとなって自分にもどってくる、ということ。
このことわざは意味を誤解されやすいことわざとしても有名です。
「~為ならず」という言葉からのイメージなのか、「情けをかけることはその人の為にはならない(ので、親切にはしないほうが良い)」という意味で捉えられてしまうことが多くありますが、これは全く反対の意味となってしまいます。
この「ならず」は「為になる、ならない」の「ならず」ではなく、「為にあらず」ということを意味しています。
★古文でいうところの断定の助動詞「なり」ですね!
原因がないのに結果が生じることはないというたとえ。また、何もしないではよい結果は得られないことのたとえ。
文字通り、種をまかなければ植物が生えてこないように、原因となる基がなければ結果は現れないという意味から生まれたことわざです。何もしないで待っていてもよい結果はでないので、よい結果を出したければいろいろな努力をし、原因となる種をまこうという戒めの意味も含んだことわざです。
例:まかぬ種は生えぬのだから、何事にもチャレンジするべきである。
どんなに慈悲深く温和な仏様でもその顔を三度もなでられると腹を立てるという意味から、どんなに温厚な人でも、無法なことを何度もされるとしまいには怒ってしまうということ。
塵のようにごくわずかなものでも、数多く積もり重なれば山のように高大なものとなることのたとえ。
勉強でも同じですね。小さなことからコツコツと積み上げていくことが、成功へと導く鍵となります。
知らない事を他人に聞くのは、その時は恥ずかしいと思っても、それを聞かないままにして放っておくと一生知らないことになるので、その方が恥ずかしいということ。
知らない事は積極的に質問するべきであるという教え。
これは正に勉強においても大事なことですね!
分からないことがあったらどんな小さなことでもすぐに先生に質問しましょう。
どんなことであっても、人は好きなものに対してははおのずと熱中できるから、上達が早いということ。
皆さんの習い事や、好きなゲームなどを思い浮かべてみてください。
誰でも好きでやっていることには一生懸命になったり、それに関して勉強したり工夫をしますよね。
なので、好きなことは自然に上達するものであるという教えです。
また、無理して嫌だと思いながらやっても成長は無いということも意味しています。
万一に備えて、普段からあらかじめ準備をしておけば、いざというとき少しも心配事がないということ。
これもぜひ覚えて心に留めておいてほしいことわざですね。
大事な試験の前、災害への対策、何事も備えあれば憂いなしです!
いかがだったでしょうか?
知っている慣用句やことわざはいくつありましたか?
また、間違った意味で覚えているものはありませんでしたか?
知っているつもりでも間違えて覚えていると後で恥ずかしい思いをしてしまうので、この機会にしっかり覚えて使えるようになれるといいですね!
分からないことがあったら「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」なので、櫻學舎にいる先生達に質問してみてくださいね(^^)★
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