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こんにちは!櫻學舎講師の菊池涼です!
今回は化学結合の融点や沸点への影響を解説していきたいと思います。
一見関係無いように見えて深い関係がある化学結合と融点・沸点。
理解するためのキーワードは「結合が強いほど融点・沸点は高い」です!
まず結合の種類から。
結合には
化学結合(イオン結合、共有結合、金属結合)
分子間力(ファンデルワールス力や水素結合など分子間に働く比較的弱い力)
があります。
これらを結合の強さの順に表すと…
共有結合>イオン結合>金属結合>水素結合>>>ファンデルワールス力
共有結合は電子が直接つないでいるため最も強い結合になっています。
次にイオン結合は陽イオン、陰イオンの間の引力、金属結合は飛び回っている自由電子による結合で結びついているため他の化学結合に比べて弱くなっています。
そして残りの2つが分子間力です。
ファンデルワールス力が最も弱く、水素結合は化学結合に比べれば弱いですがファンデルワールス力に比べればかなり強くなっています。
そもそも融点とは固体から液体に変わるときの温度で、沸点は液体から気体に変わるときの温度です。
物質が固体・液体・気体へと変わるのには分子間の距離と熱運動が関係してきます。
・固体の状態のとき、分子間の距離が小さいので分子間力が働いています。熱運動をしていますが相互の位置は変わりません。
・液体の状態のとき、固体のときと同様に分子間力が働きますが、分子は熱運動によって相互の位置を変えています。
・気体の状態になると分子間の距離は大きく分子間力はほとんど働きません。分子は熱運動によって飛び回っています。
つまり融点と沸点は共に、状態が変化するときの結合が切られる温度を指しているということです。
よって分子間力がほとんど働かない気体の状態にするためにはかなりのエネルギーが使われます。
ここからは第1,2項を頭に入れて考えていきましょう。
キーワードは「結合が強いほど融点・沸点は高い」です。
第2項で述べたように、融点と沸点は共に状態が変化するときの結合が切られる温度を指しています。
つまり、結合が強くなればなるほど融点も沸点も上昇していきます。
分子間力も例外ではなく、無極性分子では分子量が大きいほど融点・沸点は高くなっていきます。
また、極性分子のほうが分子間に静電気力が強く働くため分子間力が強くなります。
まず水素結合について
水素結合とは分子の中のいくらか正の電荷を帯びたH原子が、そのH原子と直接共有結合していない電気陰性度の大きなF、O、Nなどの原子と静電気力で引き合い、H原子を介して生じる結合のこと
この結合によって分子量が小さくてもかなり大きな沸点を持っている水素化合物があります。特に\(NH_{3}\)、\(H_{2}O\)、\(HF\)は試験に頻出なのでチェックしておきましょう!
化学結合においても今までの考え方を用いることができ、結合が強いほど融点・沸点は高い関係にあります。
化合物にもよりますが基本的には
共有結合>イオン結合>金属結合>水素結合>>>ファンデルワールス力
の関係性を覚えておきましょう!
今回は「キーワードで理解する化学結合と融点・沸点」をお送りしました。
もう一度言いますが、キーワードは「結合が強いほど融点・沸点は高い」です。
この分野は定期試験やセンター試験で多く出題される分野であり、説明する問題が多く出ます。
しっかりと理解して満点を目指しましょう!
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