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櫻學舎の理念のお話 | 「急がずに、だが休まずに」 | 定額個別の櫻学舎

櫻學舎の教室内には、開校当時から変わっていない掲示があります。

それが、

 

「Without haste, but without rest. 急がずに、だが休まずに。」

 

この言葉はドイツの詩人、ゲーテの言葉です。

意味は、「焦らずにコツコツと、ゆっくりでも前に進もう」です。

継続することの大切さを説いています。

でも、ゲーテの名前は知っていても、どんな人物なのかわからない人も多いと思います。

ここで、ゲーテとはどんな人なのか、簡単に見ていきましょう。

 

ゲーテとは

ゲーテの肖像画 https://www.britannica.com

 

ドイツの大文豪

今から150年ほど前、18世紀中頃のドイツを代表する、世界的に有名な文豪です。

詩人としての活動の他に、劇作家、小説家、自然科学者、政治家、法律家として多岐にわたる分野で活躍しました。

小説「若きウェルテルの悩み」、「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」、叙事詩「ヘルマンとドロテーア」、詩劇「ファウスト」など、重要な作品を残しています。

「ファウスト」という言葉は漫画やアニメ・ゲームでも使われているので、聞いたことがある人もいるかもしれませんね。

詩劇「ファウスト」は、15世紀に実在したと言われる、錬金術、占星術、黒魔術、悪魔との契約など奇怪な伝説を持つ実在した錬金術師「ドクトル・ファウストゥス」を下敷きに、ゲーテがほぼ一生涯をかけて完成させた大作です。

ゲーテが生きた時代は、社会の構造が大きく変わった大変動の時代でした。

フランスでは王政が崩壊、イギリスでは産業革命、新大陸アメリカでは独立戦争など、この時代に民主主義が生まれたと言われる重要な時代です。

その時代の中で、ゲーテは多岐にわたる分野で功績を残しました。

 

大学は2度通っている

ライプツィヒ大学 https://4travel.jp/os_shisetsu/10512313

ゲーテが最初に入学したのは、ドイツの東側にあるライプツィヒ大学の法学部でした。

この大学へは父の勧めで入学しただけなので、ゲーテ自身は本当は文学研究をしたかったとの話があります。

ちなみにライプツィヒ大学の出身の有名人は、バッハ、ロベルト・シューマン、ニーチェ、ソシュール、メルケル元ドイツ首相、そして森鴎外です。

そうそうたるメンバーですね。

しかしライプツィヒ大学は3年目で病気により退学することになりました。

その2年後に改めて勉学に励むためにフランス領ストラスブール大学に入学しました。

この大学も、フランス的な教養を身につけさせようとした父の勧めだそうです。

最初の大学も次の大学も父の勧め、、、親近感がわいてきました。

ちなみにストラスブール大学は19人のノーベル賞受賞者を輩出した欧州屈指の名門大学です。

ゲーテはストラスブール大学では1年と少し短い期間しか学んでいませんでしたが、この期間に作家・詩人としての礎となる出会いを経験しました。

 

恋多き人生

「若きウェルテルの悩み」のヒロインのモデルとなったシャルロッテ・ブッフ https://www.hannover.de

ゲーテは恋多き人だったということも知られています。

ゲーテの作品はあまりに多くのジャンルで残されていますが、共通するのはどの作品も彼自身の恋がきっかけだったということ。

彼の代表作である「ファウスト」や「若きウェルテルの悩み」のヒロインは彼の恋人だった人をモデルに描かれています。

彼自身の恋愛や失恋がなかったら、現代でも知られているような世界的な名作は生まれませんでした。

 

ナポレオンとベートーヴェン

ゲーテが影響を与えた有名な人物は数多くいますが、その中でも代表的なのがナポレオンとベートーヴェンです。

ナポレオンはゲーテの大ファンであり、彼の小説「若きウェルテルの悩み」を戦地まで持ち出し計7回は読んだと言われています。

その後ゲーテに対面したナポレオンは、感激のあまり「ここに人あり」と叫び、後に勲章を与えました。

 

そして、ゲーテはベートヴェンにも大きな影響を与えました。

というよりも、ベートーヴェンがゲーテを崇拝していたそうです。

ただ、2人の仲は良くありませんでした。

ゲーテはベートーヴェンの才能に衝撃を受けていましたが、ベートーヴェンはゲーテの宮廷風の振る舞いに嫌気を感じ、ゲーテはベートヴェンの傲慢な振る舞いを嫌っていました。

2人はお互いに敬意は持ちつつも、気質や思想が違っていたため距離は縮まりませんでした。

 

人生の課題は個性の発揮だった

ローマ近郊におけるゲーテの肖像 wlipediaより

彼の作品の全ては「大きな告白の断片」だと、東北大学名誉教授であり、ドイツ文学者の小栗弘さんは言っています。

その対象は文学だけでなく、自然科学や哲学など、あらゆる分野に及びました。

また、ゲーテの生涯の課題は、「いかにして自分の個性を十分に出し切るか」というものでした。

 

 ゲーテにとってすべての学問も芸術の営みもいかに生きるべきかにつながる。

人間は無限の宇宙のなかに投げ出されて自己の無力を痛感させられる。

しかしそれは人間を絶望させはしない。

有限な人間が大自然と調和的に生きうることを彼は信じていた。

「思索する人間のもっとも美しい幸福は、探究しうるものを探究し尽くし、探究しえないものを静かに敬うことだ」というのが彼の根本態度である。

80年を超える長い生涯で人生の暗い面を知り尽くした彼ではあるが、ペシミズムに陥ることはなかった。

無力な人間が過ちを繰り返しながらもよりよい世界に向かって努力するさまを肯定的に描いたのが彼の代表作『ファウスト』である。

「生きること、それはよいことだ」というのが彼の究極の信条である。

https://kotobank.jp 「ゲーテとは」より

 

「告白の断片」というのは良い言葉ですね。

社会がどれだけ変わっても、人は自分の悩みや想いを「告白」し、人とつながり理解し合いたいという本質は変わらないと思います。

そして、「個性を出したい」という自己表現を求める人の本質も今も変わりません。

ゲーテの生きた時代とは違って、現代は世界と簡単につながることができるようになりました。

それでも、昔から人の心は変わらないのですね

そう考えると、偉大なゲーテも、わたしたちと変わらない悩み多き1人の人間だったのかなと感じます。

 

「急がずに、だが休まずに」

簡単にゲーテの人生を見ていきましたが、彼の生涯を知ると、「急がずに、だが休まずに」という言葉の意味の深さを感じます。

世界の構造が変わる大変動の時代を生きた彼には、さまざまな思いや葛藤があったのだと思います。

 

人間のあやまちこそ人間をほんとうに愛すべきものにする。

 

この言葉から読み取れる通り、ゲーテには一般的には語られない失敗などもたくさんあったと思います。

ただ、その中でも自分の信じる信念を貫き、幅広い分野で功績を残しました。

それだけの偉大な人物でも、日々のコツコツとした努力の大切さを説いています。

かつて野球のイチロー選手も、「小さいことを積み重ねる事が、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」 と語っています。

偉大な人間こそ、小さな努力を大切にします。

 

ゲーテの名前を出すと大きな話になってしまいますが、「急がずに、だが休まずに」という言葉はこの塾にぴったりだと思います。

櫻學舎はどちらかというと、「難関大を目指そう!」というようなガツガツした塾ではありません。

ただ、どんな目標にせよ、小さな努力の積み重ねが必要であることは変わりません。

「勉強習慣がない子は、まず机に向かう習慣から始めよう」というのが櫻學舎のひとつのコンセプトです

机に向かう習慣ができたら、次にテキストを開く習慣。

テキストを開いたら、簡単な問題でもいいのでひとつでも多く解く習慣を持つ。

できることからでいいのです。

小さなことでも、焦らずにコツコツと、それがとんでもないところにいくただひとつの道です。

 

開校9年目の櫻學舎

かという櫻學舎も、小さな積み重ねで今があります。

開校時と今を比べると

 

講師の数 約5人→56人

生徒の数 約10人→120人

 

これくらいまでにはなりました。

9年という期間で考えると成長の速度はゆっくりですが、それでも少しずつ大きくなってきています。

地域での認知度も上がってきたのかなと感じます。

また、塾内においても、管理システムの導入、チューター制度開始、集団教室増設、長町教室開校など、いろんな変化がありました。

これも櫻學舎を支えてくださっている、皆様のおかげです。

 

これからまたたくさんの変化があると思いますが、櫻學舎も生徒たちに負けず、コツコツと小さい努力を積み重ね、急がずに休まずに、とんでもないところにいきたいと思っています。

 

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