「記述問題が苦手…」を卒業!中学生のための記述力アップ完全ガイド

「記述問題が苦手…」「書きたいけど、何を書けばいいのか分からない…」
そんな悩みを抱えている中学生は、とても多いのではないでしょうか。
定期テストや高校入試では、国語の「筆者の気持ちを説明しなさい」、社会の「歴史的背景とその影響を記述しなさい」、数学の「証明しなさい」など、文章で答える記述問題が必ず出題されます。知識だけでは解けず、自分の言葉で説明する力が求められるため、苦手意識を持つ生徒が多いのです。
しかし、記述問題には「型」や「コツ」があり、それを身につければ誰でも得点できるようになります。
この記事では、記述問題を得意にするための3つの基本ルールと、教科別の書き方のポイントと具体例をわかりやすく紹介します。
「なんとなく書く」から「自信を持って書く」へ。記述の力を少しずつ伸ばしていきましょう!
記述問題とは?|なぜこんなに出題されるのか
テストや入試でよく見る「〜を説明しなさい」「〜について書きなさい」という問題。これがいわゆる記述問題です。
選択肢の中から選ぶのではなく、自分で文章を組み立てて答える必要があるので、「苦手…」と感じる人も多いかもしれません。
そもそも記述問題ってどんな問題?
記述問題とは、自分の言葉で説明する力や、考えを筋道立てて伝える力を試す問題のことです。
例えば、
- 国語では「筆者の気持ちを説明しなさい」
- 社会では「歴史的出来事の原因と結果を説明しなさい」
- 数学では「証明しなさい」や「理由を説明しなさい」
- 理科では「実験結果から分かることを説明しなさい」
といった形で出題されます。
どうして記述問題が増えているの?
最近のテストでは、記述問題がとても多くなっています。その理由は大きく2つあります。
理由①:思考力・表現力をはかるため
ただ知っているだけではなく、「なぜそうなるのか」「どうしてそう思うのか」を自分の言葉で説明できる力は、今の社会でもとても大切です。文部科学省が掲げている「思考力・判断力・表現力」を育てるために、記述問題が重視されているのです。
理由②:入試や高校での学びにつながるから
高校入試や大学入試では、記述式問題が出るのが当たり前。中学校のうちから「自分の考えを文章にする練習」をしておくことが、次のステップへの準備にもなります。
記述問題は、ただの“難しい問題”ではなく、「あなたの考えや理解をしっかり伝えるチャンス」です。
最初は大変でも、ルールとコツをつかめば、必ず得意分野にできます!
記述が苦手な中学生の“よくあるつまずき”

「どうやって書けばいいのかわからない…」
「途中まで書けたけど、結局まとまらない…」
記述問題が苦手だと感じる中学生の多くは、いくつかの“共通するつまずきポイント”を抱えています。ここでは、よくあるパターンを紹介します。
① 質問の意図を読み違える
記述問題で一番大切なのは、「何を聞かれているのか?」を正しく読み取ること。
たとえば「なぜですか?」と聞かれているのに、出来事の説明だけで終わってしまったり、「どんな気持ちか?」と聞かれているのに、行動だけを書いてしまったりするケースがあります。
【ポイント】
「なぜ」「どうして」→ 理由を/「どのように」→ 方法を/「どう思うか」→ 気持ちを答える!
② 書き始めでつまずく
「何から書き始めたらいいかわからない…」という声もよく聞きます。
とくに記述問題では、「書き出し」が思いつかないと手が止まってしまいがちです
【ポイント】
よく使われる“書き出しの型”を覚えておこう!
例:「〜は、〇〇だからである。」「〜の理由は、〇〇だ。」
✏️ ③ 自分の言葉にできない
教科書の内容や授業で習ったことは「なんとなくわかる」のに、それを自分の言葉で説明できない…。
これは「理解している」と「説明できる」の間にある“壁”です。
【ポイント】
一度、自分の言葉で“口に出して説明”してみよう。思考の整理になります!
④ 書きすぎて話がズレる
がんばってたくさん書いたけれど、読み返すと質問に答えていない…。
これは、「何を書きたいか」より「何を聞かれているか」を忘れてしまったパターンです。
【ポイント】
書いたあとに「質問にちゃんと答えているか?」をチェックしよう!
これらのつまずきは、練習次第で必ず乗り越えられます。
まずは「つまずく原因」を自分で知ることが第一歩。次の章では、その対策をくわしく紹介していきます!
記述問題を克服する3つの基本ルール
「記述問題が苦手…」という人も、正しいルールを知っていれば大丈夫!
ここでは、どの教科にも共通する“記述問題の基本のき”を、3つのルールにしぼって紹介します。
ルール①:設問の意図を正しく読む
まず大切なのは、「何を聞かれているのか?」を読み取ること。
記述問題では、問い方によって答え方がガラッと変わります。
よくある質問と答え方のパターン
質問の言い方 | 書くべき内容 |
---|---|
「なぜ~か?」 | 理由や原因を書く |
「どのように~か?」 | 方法やしくみを書く |
「どんな気持ちか?」 | 心情や考えを書く |
「説明しなさい」 | 専門用語+理由や流れを書く |
ルール②:答えの「型(テンプレ)」を使う
いきなり自分で文章を作るのはむずかしい…。
でも、「こう書けばOK!」という型を覚えておけば、グッと楽になります。
代表的な書き方の型
- 理由を説明する型
→「〇〇だから、△△である。」 - 因果関係を書く型
→「〇〇なので、△△になる。」 - 証明を書く型(数学など)
→「仮定より〇〇。したがって△△が成り立つ。」
ルール③:いきなり書かずに、まず「メモ」を作る
「何を書けばいいか分からない…」ときは、いきなり書こうとせず、まず【メモ(メモ書き)】を作るのがコツ!
メモの作り方
- ヒントを探す
→ 教科書や資料、本文、図やグラフの中に必ずカギがある! - キーワードをピックアップ
→ 社会なら「年号・制度名」、理科なら「現象・法則」など - 順番を整理する
→ 「原因→結果」「主張→理由→まとめ」など、流れを先に考える!
記述問題ができるようになるには、才能よりも“正しい練習方法”が大切です。
この3つの基本ルールをしっかり押さえれば、どんな教科の記述にも対応できるようになります!
教科別・記述問題の解き方と具体例

記述問題は、教科によって問われる内容や書き方のコツが大きく異なります。しかし、どの教科にも共通して言えるのは「問いの意図を正しく読み取り、それにふさわしい“型”で答える」ことが重要だということです。ここでは、国語・数学・社会・理科の4教科について、代表的な記述問題の特徴と、スムーズに書くための解答の型を具体例とともに紹介します。
国語|筆者の考えや登場人物の心情を説明する問題
国語の記述問題では、「筆者はなぜそう考えたのか」「登場人物はどのような気持ちだったのか」など、本文の内容を読み取った上で、理由や気持ちを自分の言葉で表現することが求められます。答えは必ず本文中にヒントがあるため、接続詞(「だから」「しかし」など)や具体的なエピソードに注目しながら根拠を探すことが大切です。
また、「なぜ〜か」と聞かれたら“理由を説明する型”、「どのようなことか」と聞かれたら“言い換え・要約の型”を使うと、自然な流れで書けるようになります。たとえば「筆者が悲しさを感じた理由」についての記述では、「〇〇だから、筆者は△△と感じた。」のように、因果関係を明確にすると説得力が増します。
数学|証明・説明問題は論理の積み重ね
数学の記述問題は、主に「証明しなさい」「理由を説明しなさい」といった形式で出題されます。このとき重要なのは、「仮定(前提)」→「根拠(定理・性質)」→「結論(何が成り立つか)」という順序を意識することです。
特に図形の証明問題では、「合同条件」「角の性質」「辺の長さの関係」など、覚えておくべき決まりごとを使いこなす必要があります。たとえば、「△ABCが二等辺三角形であることを証明しなさい」という問題では、「仮定よりAB=AC。よって∠B=∠C。したがって、△ABCは二等辺三角形である。」のように、段階的に説明を重ねていくのがポイントです。
社会|用語と背景をつなげて説明する
社会の記述問題では、「〇〇の理由を説明しなさい」「〇〇の目的と結果を答えなさい」といったように、歴史や地理、公民の知識をもとに、背景や影響を踏まえて説明する問題がよく出されます。
このとき重要なのは、ただ用語を並べるだけでなく、「なぜその出来事が起きたのか」「その結果どうなったのか」という因果関係を明確にすることです。教科書に出てくるキーワード(例:「関税自主権」「地租改正」「産業革命」など)を使いつつ、自分の言葉でつなげて書くと、読み手に伝わる記述になります。
たとえば、「地租改正の目的と影響を説明しなさい(50字)」という問題では、「地租改正は安定した税収を得るために行われ、農民の負担が増加した。」というように、目的と結果を1文にまとめるとよいでしょう。
理科|現象や法則を「なぜ?」で説明する記述力をつける
理科の記述問題では、「なぜそのような現象が起こるのか」「どのような関係があるのか」といった理由や因果関係を説明する力が求められます。ただ単に用語を暗記するだけでは不十分で、その知識を使って、現象や法則の意味を筋道立てて説明できることが大切です。
たとえば「浮力が働くのはなぜか」と問われた場合、ただ「水に浮く力」と書くだけでは得点にはなりません。「浮力は、物体が押しのけた水の体積に比例してはたらく」といったように、物理的なしくみや用語を正確に使って説明する必要があります。
また、理科の記述問題では、現象と用語、そして法則や性質とのつながりを理解しているかが問われます。問題文中には「〇〇という性質を使って説明しなさい」「〇〇を理由に述べなさい」など、ヒントが含まれていることが多くあります。問題文を丁寧に読み取り、何が問われているかを整理することが重要です。
記述に自信がない生徒は、まず用語の意味をしっかりと確認し、それを使って説明する練習をしましょう。たとえば、「光合成」について説明するなら、「植物が光を受けて二酸化炭素と水から酸素と養分を作り出す働き」といった説明を、自分の言葉で言えるようにすることが第一歩です。
理科の記述問題は、表面的な知識ではなく「理解しているか」が問われる分野です。だからこそ、しっかり対策すれば得点源にもなります。知識を整理しながら、「なぜ?」に答える文章を書く力を身につけていきましょう。
日々の学習でできる!記述力トレーニング法
記述力は、特別なトレーニングをしなくても、毎日の勉強の中で少し意識を変えるだけでぐんぐん伸ばすことができます。ここでは、自宅や塾、学校での学習で実践できる記述力アップの方法を紹介します。
① 問題を解いた後に「なぜそうなるか?」を書いてみる
計算問題や選択問題でも、正解を出すだけで終わらせずに、「どうしてこの答えになるのか」を短く説明してみましょう。
たとえば、
- 社会なら「なぜこの戦争が起きたのか?」
- 理科なら「なぜ気圧が下がると雲ができやすくなるのか?」
という問いに、自分の言葉で理由を説明する練習をすると、記述問題の思考力が鍛えられます。
② 教科書やノートの要点を「まとめ直す」
普段の復習で、教科書のまとめページや授業ノートを「自分の言葉で」言い換えてまとめてみましょう。
これは、国語の「要約力」や社会・理科の「説明力」を自然と身につける訓練になります。
ポイントは、「そのまま写す」のではなく、「どうすれば友達にわかりやすく説明できるか」を考えながら書くことです。
③ 模範解答を音読+書き写しでインプット
記述問題の模範解答を見て、「どう書けばいいのか」を感覚でつかむことも大切です。
おすすめは次の流れです:
- 模範解答を音読して、文章の流れをつかむ
- 書き写して、語順や言い回しを体で覚える
- 自分で同じ問題をもう一度解いてみる
このステップを繰り返すと、「書き方の型」や「使うべき語句」が自然と身についていきます。
④ 日記や自由記述でも「理由」や「説明」を意識する
実は、日常的な作文や日記でも記述力は鍛えられます。「今日は部活が楽しかった」だけで終わらせず、「なぜ楽しかったのか?」「どんな場面だったのか?」まで書くようにしましょう。
たとえば、
- ✕「今日は暑かった」
- ○「今日は気温が35度近くまで上がり、登下校だけでも汗が止まらなかった」
というように、理由や状況を添えるクセをつけると、説明型の記述がスムーズになります。
日々の学習の中で、「考えて書く」練習を積み重ねることが、記述問題克服への一番の近道です。最初は時間がかかっても、少しずつ「書ける実感」を得られるようになります。
櫻學舎の取り組み|「書く力」を育てる指導の工夫

櫻學舎では、ただ知識を教えるだけでなく、「自分の言葉で表現できる力=記述力」をしっかりと育てることを大切にしています。テストや入試で得点できるだけでなく、将来の学びにもつながる力だからこそ、日々の指導に工夫をこらしています。
① 記述問題は「その場で解説→その場で直す」スタイル
授業中に記述問題を扱う際は、生徒が書いた解答をもとにその場で講師が添削し、どこをどう直せばよいのかをすぐにフィードバックします。
この即時フィードバックにより、「どう書けばよいのか」「なぜこの表現は減点されるのか」が具体的にわかり、記述力の伸びが早くなります。
② 「型」を教えたうえでの繰り返し演習
記述が苦手な生徒にとって、自由に書くのは難しいもの。そこで櫻學舎では、教科ごとによく出る「書き方の型(テンプレート)」をまずは丁寧に教えます。
例)
- 国語:理由+感情+根拠
- 社会:背景 → 内容 → 結果
- 数学:仮定 → 証明の手順 → 結論
こうした型を使って何度も書き、講師と一緒に確認することで、少しずつ「自力で書ける」状態へと成長していきます。
③ 教科横断で「書く力」を意識したカリキュラム設計
櫻學舎では、国語だけでなく、数学・理科・社会の記述問題も一体的に指導しています。特に定期テスト前や模試前は、教科をまたいで「説明問題」の特訓を行い、「どの教科でも通用する書く力」を育てています。
たとえば、理科では「現象の因果関係を言葉で説明する」練習を、社会では「出来事と背景をつなげて説明する」力を重点的に扱います。
④ 成功体験を積み重ね、自信につなげる
記述が書けなかった生徒が、講師のアドバイスを受けながら「自分で解けた!」という成功体験を積むことで、記述に対する抵抗感がどんどんなくなっていきます。
実際に、最初は10点中3点ほどだった生徒が、3か月後には8〜9点を安定して取れるようになった事例もあります。「書く力」は正しい練習と丁寧なサポートで、誰でも必ず伸ばせる力なのです。
櫻學舎は、記述問題に「なんとなく苦手意識がある」という生徒にも寄り添い、わかりやすく・あたたかく指導する塾です。苦手をそのままにせず、「書ける楽しさ」「伝える手応え」を味わってもらえるよう、これからも記述力育成に力を入れていきます。
まとめ
記述問題が苦手だと感じている中学生は多いかもしれません。でも安心してください。記述力は「生まれつきのセンス」ではなく、トレーニングで確実に伸ばすことができる“スキル”です。
まずは、設問の意図を正しく読み取る力をつけ、「解答の型」を知り、「メモを作ってから書く」などの基本ルールをしっかり身につけましょう。さらに、教科ごとのポイントを押さえたうえで、自分で書き、講師と一緒に振り返ることで、少しずつ自信がついていきます。
最初はうまくいかなくても大丈夫。大事なのは、「なんとなく避ける」のではなく、「まずは1行書いてみる」こと。そして、その1行を少しずつ増やしていくことです。
櫻學舎では、記述に不安を感じている生徒にも丁寧に寄り添い、一人ひとりに合った書き方や考え方を指導しています。
書けるようになることで、テストの点数だけでなく、学ぶ楽しさや自分の成長も実感できるはずです。
記述力は、未来につながる大切な学びの力。コツコツと積み重ねて、確かな武器にしていきましょう!