こんにちは!
櫻學舎講師の菊池涼です!
今回は「気団と前線」について解説していきたいと思います。
気団や前線などニュースで聞いたことはあっても説明は難しい。
そんな分野でも、スケールを変えて考えればわかりやすくなります。
http://weather.geo.kyushu-u.ac.jp/lesson_topics/img/front1.jpg
まずは語句についておさらいしましょう。
気団…空気が大陸上や海上などに長時間とどまり空気や湿度が広い範囲でほぼ一様なかたまりになったもの。
前線…大気中で気温や湿度など性質の異なる空気のかたまりが接してもすぐには混じり合わず、できる境の面を前線面と言い、前線面と地表面が交わるところを前線という。
寒冷前線…寒気が暖気を押し上げながら進んでいく前線のこと。
温暖前線…暖気が寒気を押しやりながら進んでいく前線のこと。
閉そく前線…寒冷前線が温暖前線追いついてできる。
停滞前線…潜り込もうとする寒気と這い上がろうとする暖気がぶつかりあってほとんど前線の位置が動かないもの。
ここで一つ疑問がわきますね。図からも分かるように寒冷前線、温暖前線ともに暖気が寒気の上にのっています。
なぜ「押し上げる」と「押しやる」の二通りの進み方が出てくるのか次の項で見てみましょう。
東京書籍の「新編 新しい科学」には「同じ質量で比べた場合、暖気は寒気に比べて体積が大きく、密度が小さくなる。
そのため、暖気は寒気の上に、寒気は暖気の下に移動する。」と書いてあります。
さすが教科書というだけあって的確な説明ですが、少し言い方が難しいですね。
これ、つまりは暖気が寒気よりもスカスカだということを言いたいんです。
空気が入った風船と水が入った風船では空気が入っている方が軽いですよね?
スカスカ=同じ体積に占める質量が小さい=密度が小さい、ということなんです。
寒冷前線では寒気が暖気を押し上げるため暖気が急激に上空に押し上げられ上昇気流が生じます。
このとき、夏の代名詞ともいえる積乱雲が発生し、強い雨が短時間に降り強い風を伴います。
温暖前線の場合は寒気が暖気を押しやりながら進むため暖気は緩やかに上昇していきます。
急激に暖気が上昇することは無いので広範囲に乱層雲や高層雲ができます。
そのため弱い雨が長時間降り続くことが多いです。
停滞前線と聞くと耳慣れないかもしれませんが、言い方を変えると梅雨前線や秋雨前線を指します。ゆっくりと日本の上空を移動し広い範囲に雨をもたらす前線です。
このように、天気には前線がどのタイプなのかが大きくかかわってきます。
前線の形を図で覚えることによって理解に努めましょう。
今回は気団と前線、そして天気とのかかわりを学びました。
スケールの大きな話でも風船など身近なものに変えて考えると分かりやすいと思います。
言葉と一緒に図も覚えて満点を勝ち取りましょう。