心理学部とどう違う?東北学院大学「心理行動科学科」のユニークな学びを比較!

「心理学に興味はあるけど、大学ではどんな学びができるの?」
「“心理行動科学科”って心理学部とどう違うの?」
大学選びをするなかで、心理系の学部・学科に興味を持った人が最初にぶつかるのが、「学科の違いがよくわからない」という壁です。
この記事では、心理学を学べる学部の中でも注目を集めている東北学院大学・人間科学部『心理行動科学科』と、いわゆる一般的な「心理学部」や「心理学科」の違いを、わかりやすく比較・解説していきます。
学びの中身から将来の進路まで、どんな人にどちらが向いているのか。
「自分に合った心理の学び方」を見つけるためのヒントが、きっと見つかるはずです。
そもそも「心理学部」とは?

「心理学部」または「心理学科」は、大学で心理学を専門的に学ぶための代表的な学部・学科です。
全国の国公立・私立大学に広く設置されており、その多くが以下のような学問領域を中心に構成されています。
- 臨床心理学(カウンセリング・心のケア)
- 発達心理学(子どもの成長や老年期の変化)
- 認知心理学(知覚・記憶・学習の仕組み)
- 社会心理学(集団や対人関係の理解)
これらを理論と実験、調査研究を通して学び、人の「心」のはたらきや仕組みを科学的に理解することが目的となります。
また、心理学部では「公認心理師」や「臨床心理士」などの心理職国家資格を目指す学生が多いため、大学院進学を前提としたカリキュラム構成がなされているケースも少なくありません。
心理学部の学びは「人を支えたい」「心をケアしたい」という思いから進学を志す人にとって魅力的であり、将来は福祉・教育・医療・産業など、対人援助を軸にした進路に進む人が多い傾向にあります。
一方で、「心理」という言葉は幅広いため、大学によって重視される領域や学びの深さには違いがあります。
そのため、「どの心理学部で、どんな学びをしたいか?」を具体的にイメージすることが重要です。
東北学院大学「心理行動科学科」とは?

東北学院大学の「心理行動科学科」は、単なる“心理学科”とは一線を画す、心理・行動・社会という3つの視点を融合させたユニークな学科です。人間の「こころ」を理解するだけでなく、「行動」や「関係性」「社会とのかかわり方」にも焦点をあてる、いわば“広義の心理学”を扱う学びの場といえるでしょう。
心理「だけ」で終わらない、実践的な学問領域
心理行動科学科では、以下のような複数の学問が横断的に学べます。
- 心理学:感情・認知・発達・カウンセリングなど
- 行動科学:人間の意思決定、習慣、スポーツ行動の分析
- 社会科学:社会的関係性、集団行動、教育・福祉制度との接点
このように、人間を「個人」ではなく「社会のなかの存在」として捉え、心と行動、そして環境の相互作用を分析・理解する学びが展開されます。
実験・演習・フィールドワークで“知識を活かす力”を育てる
座学だけでなく、実験・観察・インタビュー・データ分析などの実践型の学びが中心です。1年次から演習やグループワークが多く、4年次には卒業研究を通じて「問いを立て、自ら調べ、考え、伝える力」を磨いていきます。
また、スポーツ科学や教育学、社会調査など周辺分野との連携が豊富な点も特徴で、自分の関心を軸に「オリジナルの学び方」ができる柔軟さも魅力です。
専門性と汎用性を両立した“人間理解”の学び
心理行動科学科は、「人を理解する力」を土台に、教育・公務員・福祉・民間企業など幅広い進路に対応できる人材の育成を目指しています。
心理職への道も開かれている一方で、「心理学に関心はあるけれど、進路を今すぐ決めきれない」という人にもぴったりの学科です。
このように、東北学院大学の心理行動科学科は、心と社会を結びつけて学び、人を深く理解し、実社会でその力を活かすための実践的な教育を行っています。心理学部と比べても、その学際性と応用力は大きな特徴といえるでしょう。
心理学部 vs 心理行動科学科|学びのアプローチの違い

心理学を学べる大学は全国に数多くありますが、「心理学部」と「心理行動科学科」では、学びの広がり方やアプローチの仕方に大きな違いがあります。
心理学部は「心の専門家」育成に特化
心理学部の多くは、臨床心理士や公認心理師などの心理支援の専門職を養成することを主目的にしています。理論重視の講義と、面接・カウンセリング・心理検査などの臨床技術を学ぶカリキュラムが中心で、大学院への進学を見据えた体系的な学習が組まれています。
授業内容も、発達心理学・臨床心理学・認知心理学など心理学の内部領域に集約されているケースが多く、「人の内面=心の理解」にフォーカスされる傾向があります。
心理行動科学科は「人間を丸ごと理解」する学び
一方で、東北学院大学の心理行動科学科では、「人の心」だけでなく「行動」「社会との関係性」「環境の影響」まで含めたより広い人間理解を目指します。
特徴的なのは、次のようなスタンスです。
- 行動観察や社会調査など、フィールドに出る学びが多い
- 心理とともに、スポーツ・教育・社会科学と横断的に学ぶ
- 「困っている人を助ける」だけでなく、「人がどう行動し、なぜそうなるのか?」という問いを立てて探究する力を重視
つまり、「心を癒すための心理学」だけでなく、「人間と社会をより良くするための心理学」も扱っているということです。
「人の心を専門的に深く学びたい人」は心理学部へ。
「人間の行動や社会との関係も含めて、広く学びたい人」は心理行動科学科へ。
自分がどんな“人間理解”を目指したいかで、選ぶべき学びの道は変わってきます。
将来の進路・資格の違い
「心理学を学んだ先に、どんな未来が待っているのか?」
大学選びで最も気になるのが、卒業後の進路や取得できる資格の違いです。ここでは、心理学部と東北学院大学「心理行動科学科」との違いを具体的に見ていきましょう。
心理学部の進路と資格
心理学部では、心理支援の専門家になるための資格取得を前提としたカリキュラムが主流です。
- 取得できる主な資格
- 公認心理師(※大学院進学が原則必要)
- 臨床心理士(※大学院進学が前提)
- 認定心理士
- 教員免許(教育系心理学を含む場合)
- 主な進路先
- 医療・福祉(カウンセラー、相談員など)
- 教育(スクールカウンセラー等)
- 心理系大学院への進学(国家資格取得のため)
心理学部は「専門職志向」が強く、職業的ゴールが明確な反面、大学院進学の必要性が高く、汎用性の高い学びとは言いにくい面もあります。
心理行動科学科の進路と資格
東北学院大学の心理行動科学科では、「人を理解する力」を活かして、幅広い分野への進路が開かれています。
- 取得できる主な資格
- 認定心理士
- 社会調査士
- 中学校・高等学校教諭一種免許状(保健体育)※履修選択制
- 公認心理師(※大学院進学後に受験資格取得可能)
- 主な進路先
- 教育(学校教員、教育関連企業)
- 公務員(市役所、福祉行政など)
- 一般企業(人材、営業、広報、マーケティングなど)
- 心理・医療・福祉系の大学院進学(公認心理師ルートも可)
心理行動科学科では、心理学に加えて行動や社会科学も学ぶため、専門職だけでなく、民間企業や公的機関などにも強い進路対応力があります。
どちらを選ぶ?進路設計からの視点
- 「心理職に就きたい」と最初から明確に決まっている → 心理学部
- 「心理は学びたいけど、進路はこれから柔軟に考えたい」→ 心理行動科学科
- 「人と関わる仕事がしたい」「教育・公務員にも興味がある」→ 心理行動科学科
進路の選択肢を広く持ちつつ、自分の興味に沿って深められるという意味で、心理行動科学科は“これから将来を考えていきたい人”にも最適な環境だといえるでしょう。
学びの幅・柔軟性・他分野との連携

東北学院大学「心理行動科学科」の大きな魅力のひとつは、心理学を中心に据えつつも、それにとどまらない“学びの広がり”を実現している点です。ここでは、一般的な心理学部との違いを踏まえながら、学びの柔軟性や分野横断的な特長を解説します。
心理+行動+社会=“人間を立体的に捉える”学び
心理行動科学科では、「人の心」だけでなく「行動」や「関係性」、さらには「社会的背景」までを対象とする学問を複合的に学びます。
たとえば、
- 心理学…感情・思考・発達など内面的側面
- 行動科学…意思決定・習慣・集団行動の分析
- 社会学・教育学…家庭・学校・地域など環境との関係性
- スポーツ科学…身体と心の相互作用に注目した実践的領域
こうした多様な視点を通じて、人間の在り方を多角的に理解する力を育てていきます。
興味の変化に応じて進路や専門を調整できる柔軟さ
心理行動科学科では、1〜2年次に「広く学び」、3〜4年次に「関心のあるテーマを深める」という構造になっており、入学時点で進路を決めきれていなくても大丈夫な点が大きな安心ポイントです。
- はじめは「心理」に興味があったが、後に「教育現場」や「社会福祉」への関心が高まる
- 「スポーツ心理学」や「行動経済学」の視点に惹かれて別の道を選ぶ
こうした興味の変化にも柔軟に対応できる設計になっているのが特徴です。
他分野の教員・専門領域との連携
心理行動科学科には、心理学専門の教員だけでなく、教育学・社会学・運動生理学・統計学など多様なバックグラウンドを持つ教員が在籍しています。
これにより、学生は一つの視点に偏らず、“横断的に物事を考える力”や“複眼的な分析力”を自然と身につけていくことができます。
なぜこの柔軟性が重要なのか?
現代社会では、人間の問題は複雑化しており、ひとつの専門分野だけで解決できるケースは少なくなっています。だからこそ、心理・行動・社会をつなぐ学びを通して、
- 多様な価値観を受け止める力
- 実践現場での応用力
- 社会の変化に適応できる視野の広さ
を持った人材が、教育・行政・企業など多くの分野で求められているのです。
東北学院大学「心理行動科学科」の学びは、まさにこのような時代の要請に応える、“応用力ある人間理解”を育てるフィールドといえるでしょう。心理学部とは違った意味での専門性と実践力が、ここにはあります。
学修環境・教員の特色・キャンパスの雰囲気

東北学院大学「心理行動科学科」は、学生の知的好奇心を刺激し続ける、学びに最適な環境が整っています。キャンパス、教員、学びのスタイル──そのすべてにおいて、心理学を中心としながらも“人間全体を理解する”という学科の理念が貫かれています。
五橋キャンパスで学ぶ、都市型×人間型の環境
心理行動科学科が設置されている五橋キャンパスは、仙台市中心部というアクセスの良い立地にありながら、落ち着いた学修空間として知られています。施設は新しく、学びの機能がコンパクトにまとまっており、学生と教員の距離が自然と近くなる環境です。
図書館、自習スペース、ゼミ室なども整備されており、グループワークやプレゼンテーションを重ねる日常の中で、「人と学ぶ」姿勢が育ちます。
教員は“多分野のプロフェッショナル”たち
心理行動科学科の大きな魅力は、教員陣の多様性にあります。心理学の専門家はもちろんのこと、教育、社会学、福祉、医療、スポーツ科学など、人間を多角的にとらえる視点を持つ教員がそろっています。
たとえば、
- 臨床心理やカウンセリングを専門とする臼倉准教授や金井教授
- 発達や認知に焦点を当てる萩原教授や加藤教授
- スポーツと心理の関係を研究する高橋教授や吉田准教授
- 社会の不平等や家族関係に関心をもつ神林教授や仙田教授
- 保健教育・健康行動にアプローチする岡﨑教授や東海林准教授
このように、ひとつの学問にとどまらない視点の交差が、学びを深め、進路選択にも大きな可能性をもたらします。
ゼミと対話で深まる、学びの“質”
2年次以降には少人数制のゼミ(演習)が本格化。教員との密な対話や、仲間との共同作業を通じて、自分の関心を掘り下げる時間が豊富に用意されています。卒業研究に向けて、自ら問いを立て、調査し、発表し、フィードバックを受ける——「学ぶ力」だけでなく、「伝える力」や「対話する力」も磨かれます。
温かくも実践的な雰囲気
教員との距離が近く、相談しやすい雰囲気があるのも、心理行動科学科の特色のひとつ。日常的に声をかけ合える関係性があり、学生一人ひとりの興味や悩みに丁寧に向き合ってくれる教員が多くいます。
心理・行動・社会に関心をもつ仲間たちと過ごすキャンパスライフは、「人に関わる仕事をしたい」という思いをより強く、確かなものにしてくれるでしょう。
東北学院大学心理行動科学科の学修環境は、知の出会いと変化に満ちた空間です。学問と実践、個別対応とチームワークのバランスがとれた、質の高い4年間がここにはあります。
どちらが向いている?迷った時の判断基準

心理学部と心理行動科学科。どちらも「人の心」にアプローチする学びであり、興味が重なる部分も多いからこそ、進路選択の際に迷ってしまう人も少なくありません。
ここでは、自分に合った選び方のヒントをいくつかご紹介します。
【心理学部が向いている人】
- 将来的に公認心理師や臨床心理士を目指しており、大学院進学も視野に入れている
- カウンセラーや心理専門職として、医療・福祉・教育現場で働きたいと考えている
- 心の仕組みや精神的課題を、理論と実証を通じて深く掘り下げたいと思っている
- 国家資格の取得に必要な、専門的・体系的な心理学の学びに特化したい
【心理行動科学科が向いている人】
- 心理学だけでなく、教育・福祉・社会・スポーツ・行動科学など幅広く学びたい
- 学びながら将来の進路を考えたい、まだ職業を決めきれていない
- 公務員や教員、企業就職なども含めて多様な進路に対応した柔軟な力をつけたい
- 「人に関わる仕事」全般に興味があり、実践的な視点で人間を理解したい
判断のポイントは「将来の方向性」と「学びのスタイル」
- 大学卒業後すぐに心理の専門職へ進むか?
- 興味を持っている分野が心理だけに限定されていないか?
- 大学4年間で、何を深め、何に触れたいか?
こうした問いに自分なりの答えを出すことで、より納得感のある進学先が見えてきます。
迷ったときは、「大学名」や「偏差値」ではなく、学びの設計と進路の広がりで判断することが大切です。
東北学院大学心理行動科学科は、「人を理解する力」を武器に、将来の選択肢を広げたい人にとって、最良の選択肢のひとつになるでしょう。
まとめ|「人を学ぶ」道は一つじゃない
心理学部と心理行動科学科——どちらも「人を理解したい」という想いから始まる学びですが、そのアプローチや将来の広がりには大きな違いがあります。
心理学部は、より専門的・資格志向の強い道。
心理行動科学科は、心理を軸に教育・福祉・社会・スポーツなど多分野を横断できる道。
どちらが正解というわけではなく、あなたの「興味」や「将来像」にフィットするかどうかが、選ぶべき進路を決める一番の判断軸です。
「人の心に寄り添いたい」
「社会の中の人間関係に興味がある」
「まだやりたいことは決まってないけれど、人に関わることがしたい」
そんなあなたには、東北学院大学心理行動科学科という選択肢が、知的にも実践的にも大きな可能性を広げてくれる学びの場になるはずです。自分らしい未来を見つけるために、ぜひ“心と行動と社会”の学びを体感してみてください。
